【判った気になれる一般相対性理論その7】ブラックホールとは一体なにか~前編~

【判った気になれる一般相対性理論その7】ブラックホールとは一体なにか~前編~
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※「その7」とか「前編」とかサブタイトルが煩雑で申し訳ない。

最初に「脱出速度」について

ロケットを深宇宙空間へ打ち上げるためには、地球の重力を振り切らなければならない。

ロケットが地球の重力を振り切るために必要な速度は約11,200メートル/秒である。

時速にすると40,300キロメートル

これを地球の(第2)脱出速度と云う。

よって地上では3分しか活動できないウルトラマンも、ティコーンティコーンとカラータイマーが鳴ったら最後、故郷のM78星雲まで飛び帰るわけであるから、ロケットと同じくこの恐るべき高速度で飛行せねばならない、ということになる。

(※ちなみにウルトラマンは戦いの後いちいちM78星雲まで帰っているわけではありません:アクトンボーイ)

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シュバルツシルト半径

今の地球の大きさだから、この脱出速度は秒速11kmなのであるが、もしもこの地球を、質量はそのままに半径を今の6000kmから、ギューッと9mmくらいまで縮めてしまったとすると、この『圧縮地球」の脱出速度は秒速30万kmでなければならなくなる。

そう、光の速度と同じにしないと、微小となった地球が発する強力な重力を振り切ることはできなくなるのだ。そしてその9mmの半径の内側ともなると、さらに重力は大きくなっているから、光すら脱出できなくなる。

このように光の脱出さえも許さない超濃密な天体の半径のことを、相対性理論を基にブラックホールを予言したドイツ人天文学者カール・シュバルツシルトの名前を採ってシュバルツシルト半径と云う。

そして、このように極端に凝縮された天体のことを「ブラックホール」と呼ぶのである。

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ブラックホールの正体

そもそも地球をそんなに縮小できるのか?

地球を含めてこの世の物質存在の全ては、中身がスカスカであるから計算上は可能である。

しかし、安心してほしい。我らが地球がブラックホールになることはない

ブラックホールになるのは、太陽よりも遥かに巨大な恒星が、その命の最後に超新星爆発を起こした後である。

膨大な質量を外に向けて浮かせる核融合がもうできなくなるので、自らの重力にその星を構成する物質は押し潰される一方となり、元の大きさからは想像もできないほどに縮んだ天体となる。

これがブラックホールの正体である。

ブラックホールのシュバルツシルト半径の内側は、強烈な重力のせいで光さえも縛り付けてしまうから、外側から観測すると暗黒に見えてしまう。

仮に半径が65万kmある我々の太陽がブラックホールになろうと努力し、一生懸命縮んだとすると、そのシュバルツシルト半径は3kmほどになるらしい。

この大きさではブラックホールにはなれない。

太陽はブラックホールになれない代わりに、星として寿命が長い。我々にとってはその方がいい。

ちなみに、ウルトラマンでも鉄腕アトムでも何でもいいが、太陽表面にある物体が、太陽の重力を振り切るための脱出速度は秒速600km程度、時速にして216万kmである。

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