【レアものゲット!】俺氏がNIKE様に大人気スニーカーを定価で購入させて「頂いた」話

【レアものゲット!】俺氏がNIKE様に大人気スニーカーを定価で購入させて「頂いた」話

やぶから棒にお尋ねしますが、皆様スニーカーはお好きですか?

1990年代の『スラムダンク』から始まりエアマックス95で頂点を迎えたスニーカーブームの最中に10代学生だった筆者は、ご多分に漏れずファッション誌で流行のスニーカーをチェックしたり、裏原宿にあったチャプターというスニーカーショップに通ってみたり、代官山の古着屋で履きつぶされたきったねえNIKEターミネーターをそれなりの値段で買ってみたりしたものですが、あれから20数年の時が流れた2021年夏、ここに来てスニーカーへの興味が再燃している次第です。

2021年最近のスニーカー事情

マイブーム再燃のきっかけは、吉本のお笑いコンビかまいたちのYoutubeチャンネルで配信されている、ボケ担当の山内氏が購入した高額スニーカーを見せびらかす動画です。

二次流通でのプレミア価格や人気の多寡で購入するスニーカーを決めるという山内さんのコレクションには、相方の濱家さんからだけでなく同好の士からも異論が多くでそうですが、動画に登場する人気スニーカーはAIR JORDANの1stや、エアマックス、DUNKなど、昔とあまり変わらない顔ぶれで、しばらく離れていた身でも楽しめました。

筆者が不勉強で知らなかっただけですが、人気芸人のSNSでの取り上げ方からも分かるように、世間的にも、ここ数年スニーカーはブームと呼べる賑わいを見せているようです。かまいたちチャンネルに触発されて、その後スニーカー芸人のアンソニーさんやシソンヌ長谷川さん、YoutuberのSOSHIさん、atmos本明社長の動画などを見ていくうちに、なんとなく現在のスニーカー事情を把握することができました。

90年代のスニーカーブームと、ここ数年のスニーカーブームにはざっくり3つの違いがあります

まず一つは2021年現在のスニーカーシーンは「NIKE一強の市場」だということ。世界のマーケットのトータルの売り上げも圧倒的ですが、スニーカーヘッズ(愛好家)の動向も、NIKE製品を中心に回っていると言って過言ではありません。90年代もその傾向はありましたが、アディダスは勿論、ReebokやNEW BALANCEなど、他社ももう少し存在感があったように思います。前述のatmos社長の言に寄れば、「NIKEは湯加減が上手」とのこと。商品の魅力も勿論、ユーザーのレア商品への射幸心と供給のバランスの見極めが絶妙、ということのようです。これだけITが普及し、流行もメーカーが生み出すに限らず、ユーザー側からも発信されるようになった時代の波にNIKEが一番うまく乗れているということなのでしょう。

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もう一つは、個人的にこの点が一番興味深いのですが「二次流通サイトの活況」が挙げられます。アメリカ発のStockXを始めとして、日本ではモノカブやスニーカーダンクなどがそれに当たりますが、要は転売用サイトの充実のことです。現在、人気のスニーカーを手に入れる手段として無視できないのがこれら二次流通サイトです。今も昔も人気のあるスニーカーは、生産数をメーカーが需要よりも少なめに絞っているため、発売当日に売り切れてしまうことが日常茶飯事です。昔なら、買い逃したどうしても欲しいスニーカーは、フリーマーケットやヤフオクなどの真贋疑わしい個人売買に頼るしかありませんでした。しかし現在、上記で名前を挙げたような転売サイトは専門スタッフによる「真贋鑑定サービス」と、スニーカーの価格が株式と同じ「板寄せ式」で決定するという二つの大きな特徴があり、個人売買で生じかねない偽物の流通や、価格の不当な吊り上げに歯止めをかけ、ある意味「安定した」二次流通を実現しています。他の商材では「転売」というと、眉を顰め煙たがられる行為ですが、スニーカーに限って言えば、生産メーカーもこれら二次流通サイトの有益性を公式に認め、一部コラボ商品を発売したりしています。

最後の一つは「コラボレーション商品」。所謂ダブルネームというやつですね。昨年(2020年)話題をさらったというDiorとJORDANブランドのコラボが象徴的ですが、元々スニーカーと親和性の高いSupremeなどのストリートファッションブランドのみならず、ハイブランドとのコラボ商品が市場に頻繁に投入されています。前述のDiorコラボは現在一足70万円以上で取引されており、レアスニーカーは投資用資産としての注目も集めています。これらコラボ商品は、組み合わせが意外で刺激的であればあるほど市場のカンフル剤として機能しますが、個人的にこの状況は、長期的に見て市場を早く疲弊させてしまう気がします。ひとまず現実としてこのような状況です。

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Jordan 1 Low Fragment x Travis Scott

俺もナイスなキックスが欲しい。今すぐに。

キックスというのは、スニーカーの今風のかっこいい言い方です。念のため。

昨今のスニーカー市場を温故知新したところで、自分も買ってみたくなるのが人情いや人の業というもの。とはいえ転売サイトに並ぶスニーカーには多かれ少なかれプレミア価格(プレ値)がついており、可処分所得にかなり限りがある筆者としては、手を出しづらいところです。そんな忸怩たる思いを抱えながらネットを彷徨っていたところ、画像が掲載されていたあるスニーカーに一目ぼれをしてしまいました。それが↓これ。

AJ1のローカットをベースに、まず特徴的なのは白とベージュ、黒とロイヤルブルーという落ち着いた渋い配色。そして何といってもNIKEのスウォッシュが左右反転しています。何このぶち素敵なキックスは。

画像が掲載されていたサイトの記事を熟読してみると、このスニーカーの名前は「Jordan 1 Low Fragment x Travis Scott」

言わずと知れたJORDANブランドと、藤原ヒロシ率いるデザインプロジェクトFragmentと、アメリカの人気ラッパーTravis Scottのトリプルネームのスニーカーとのこと。出たな藤原ヒロシ。かつての裏原宿ムーブメントの立役者。ヘッドポーター。我々はいったいいつまで藤原ヒロシに踊らされ続けなければならないのだろうか。そしてトラヴィス・スコット。この逆スウォッシュが彼の関わるNIKE製品のトレードマークなんだそうです。ラップミュージックにとんと疎い筆者にはどこの誰だか判りませんでしたが、何でも奥さん(パートナー?)のカイリー・ジェンナーという方が、リアリティ番組出身のインフルエンサーで、ティーン向けの化粧品で大成功した超有名若手セレブリティなんだとか。

 

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画像を見る限り「高エネルギー体」としか言いようがないカップルですね。ともあれ、JORDANと藤原ヒロシだけでも手に負えない感じなのに、その上こんな「ザ・現代」みたいなイケてる兄ちゃんまで乗っかってるトリプルネームとなると、さぞかし競争率とか、プレ値とかがヤバそうです。

定価18,150円(税込)。国内では2021年8月13日発売(一部先行販売あり)とのこと。

このスニーカーの発売に筆者が気付いたのが、2021年の6月頃。SNSでも当然話題になっており、ヘッズ(愛好家)達の事前予想では1足10万から20万円(!)の二次流通(転売)価格になるだろうとのこと。以前に発売されたFragmentやトラヴィス・スコットとJORDANのダブルネームは軒並み高値を維持していますので、当たらずとも遠からずといったところなんでしょう。スニーカー一足に10万円なんてアナタ、こうなってしまったらもう筆者なんぞでは手も足も出ません。

前段でも触れましたが、こういったスニーカーは量販店やスニーカーショップの店頭に並ぶことはほとんどありません。このスニーカーをメーカー希望小売価格で手に入れる方法は原則ただ一つ。NIKEの公式通販アプリ「SNKRS」をはじめとする取り扱いサイトで、購入希望の抽選に申し込み、当選するしかないのです。

「抽選」…。早くもミッションは暗礁に乗り上げた感がありました。というのも、現在のスニーカー事情を下調べしている最中、この公式サイトの購入希望抽選は度々話題になっておりまして、そのほとんどが「とにかく当たらない」というもの。倍率は一説には50分の1とも、100分の1とも言われています。2年間一度も何も当選しない、なんて人もザラに存在するようです。当然ながら人気モデルになればなるほどその倍率は跳ね上がっていきます。ご想像の通り、二次流通で値上がりしそうなモデルは、スニーカー愛好家たちだけでなく、生き馬の目を抜く転売ヤーたちの恰好のターゲットになってしまいまうわけです。この自由競争社会ってのは世知辛いぜ。

筆者も6月以降、アプリをダウンロードして、試験運転とばかりにちょっと興味が湧いたスニーカーの抽選に申し込んだりしてみたのですが、その悉くが「落選」。↓これが落選画面なんですが、買う気がある潜在ユーザーのこの私に何度も何度もこの画面を見せつけて、NIKEは一体何がしたいんだ、という気さえしていました。

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まさかのGO’TEM

そんなわけで迎えた2021年8月13日、抽選申し込み開始の午前9時。

スマホのリマインダーに入れていたものの、ちょい人気作だって買えないのに、筆者が狙う「Jordan 1 Low Fragment x Travis Scott」は今年一番の話題作といっても過言ではありません。もはや手に入る気は微塵もしなかったのですが、一応これもまあ話のネタくらいにはなるだろうと、操作だけは慣れた「SNKRS」でパパっと抽選申し込み。平日でしたので、そのまま会社(一応勤め人です)で会議に出ていました。会議中、何度か腕のApple Watchに通知が来ていたような気がしたのですが、どうせろくな連絡じゃないだろうと思って無視していました。50分後、長いだけの会議がやっと終わり、時計を見ると…。(腕毛が失礼します)

あり?「受け取れます?」

震える手でスマホを操作し、アプリを開いてみると、話だけには聞いていたあの画面が…!

ガッデム…!!じゃなかったごってむ!

嘘だろ、おいと何度も確認しましたが、何度読んでも当選したようにしか見えません。

どうやらNIKE様が、この私に、定価でこのキックス(スニーカーのかっこいい呼び方)を購入する権利を与えて下さったようなのです。

そして翌日、マッハスピードで自宅に届いた大きめの箱。中をあけると…。

ほんとに入ってるっぽい。どうやらマジのようです。

やったー。

18,150円という、スニーカーとしては全然安くない金額を払っていることなど頭から消し飛び、何ならプレゼントしてもらったぐらいのテンションで、興味のあるなしに関わらず友人や家人にLINEして回ったことは言うまでもありません。

とりとめなく書いて参りましたが、楽しいことが少ないコロナ禍の昨今、久しぶりにアドレナリンがでた出来事でございました。私からひとつ言えることは、当たらないと評判の「SNKRS」も、たまには当選する、それだけでございます。

購入以降、雨が続いたせいもありますが、まだ一度も外に履いてでたりはしていません。もっぱら最近の楽しみは、二次流通サイトでマイキックス(私のスニーカー)の取引価格を調べ、ニヤニヤすることです。8月20日時点で129,500円、願わくば手放す気が起こるくらいに値段が上がることがないよう、願ってやみません(やめとけよお前)。

長文駄文失礼致しました。

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