【はじめてのロードバイク3】独断と偏見のロードバイクブランドイメージ〜欧米・アジア諸国編〜

【はじめてのロードバイク3】独断と偏見のロードバイクブランドイメージ〜欧米・アジア諸国編〜

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本稿は前回の「イタリアン編」に引き続き、「欧米(イタリア以外の)・アジア諸国」に本社があるロードバイクフレームメーカーをお送りする。

前回同様しつこくお断りするが、以下の内容は、ロードバイク歴9年(2018)のホビーライダー(つまり僕)が独断と偏見で採点しているものである。主に「ロードバイクはじめてみようかな」という方へ向けて、多士済々のフレームメーカーそれぞれの、僕が感じている”雰囲気”を老婆心からお伝えすべくしたためているものであるからして、あくまで参考程度にご記憶に留められるようお願い申し上げる。

度がすぎるくらいの予防線はこれくらいにして、それでは早速参りましょう。

トレック(TREK)

  • オシャレ度…5
  • レース  …8
  • レア度  …2
  • CP     …8

90年代の終わりから2000年代前半、ランス・アームストロングの活躍と共に大躍進を遂げたアメリカはウィスコンシン州のブランド。「OCLVカーボン」や同社のフラッグシップモデル「MADONE」は文字通りレース界を席巻した。ロードバイクに興味がなくてもTREKの自転車を見たことがない人はいないだろう。アメリカらしいコングロマリット、大メジャーである。製品もアフターサービスも一流。

ジャイアント(GIANT)

  • オシャレ度…3
  • レース  …7
  • レア度  … 1
  • CP     …10

台湾に籍をおく世界最大の自転車メーカー、それがジャイアント。本稿で挙げるブランドの多くが同社にOEMしている事情からして、もはやこの会社抜きに業界は回らないと思って間違いない。良心的な価格設定で、あらゆるユーザーへの門扉を開いているところも好感が持てる。TREK社と同じくたくさん走っている同社のロードバイク以外の自転車や、シンプルなグラフィックからレア度やオシャレ度は低めだが、この会社のミドルグレード以上の型に乗っているライダーを見ると、イメージなどに踊らされない生粋のレーサーなんだなとリスペクトの念が湧く。

キャノンデール(CANNONDALE)

  • オシャレ度…7
  • レース  …8
  • レア度  …3
  • CP     …7

ひと昔前だとキャノンデールと言えばレース界一の伊達男チッポリーニと彼が駆る「CAAD」のイメージが強かったが、今はムック本やテレビ番組の影響で安田大サーカスの団長の印象が強いかも。トレック、スペシャライズドと並んでアメリカに本拠地を置くメーカーの雰囲気は似通ったものがあるが、日本においてのキャノンデールは2000年代初頭のBMXブームによるストリートカルチャーへの貢献から、月日がたった今でもほんのりオシャレの匂いを強く残しているような気がする。同社のつや消しブラックが素敵なシティバイク「BADBOY」は、色んな芸能人が愛用しているという。

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スペシャライズド(SPECIALIZED)

  • オシャレ度…7
  • レース  …8(S-WORKSは10)
  • レア度  …5(S-WORKSは9)
  • CP     …7(S-WORKSは2)

スペシャライズドは、MTBの世界一のブランドであるからしてXスポーツの香りがしないでもない。トレック、キャノンデールと並んでオシャレというよりもマッシヴで筋肉質でイメージが強いか。ただスペシャのイメージを語る上で忘れてはならないのが、上位ライン「S-WORKS」の存在だ。トヨタ車でいうところの「レクサス」みたいなもの。J-WAVEとかT-BOLANに通じるネーミングセンスは正直あまり好きではないが、公道を走っていて「S-WORKS」のターマックなんぞに後ろに張り付かれたら勝てる気がしないのでサッサと道を譲ることにしている。

ルック(LOOK)

  • オシャレ度…9
  • レース  …8
  • レア度  …8
  • CP     …2

フランスのルックは、フレームの素材がアルミ全盛の時代に業界に先駆けてカーボンフレームの製造販売に着手。時代の趨勢に合わせてトップブランドへのし上がった。ラグドフレームからモノコックの時代になっても常に業界をリードする先進性がこのメーカーの特徴だ。プログレッシブなその姿勢がハイエンドモデルの形状にも反映されていて、最上位モデルはトップチューブとステムが一直線になった形をしてたりする。後述するタイム社と並んで、ロードバイク乗りにとっては垂涎のブランド。

タイム(TIME)

  • オシャレ度…9
  • レース  …7
  • レア度  …8
  • CP     …1

細身のラグドフレームにトランスリンク形状のシートポスト。日本に限った話かもしれないが、ブランドイメージは「ロードバイクの最高級品」だ。個人的にもトム・ボーネンが大きい体の割に小さめなVXRSを駆ってクラシックレースを勝ちまくってる姿に憧れてロードバイクを始めたので、「いつかはTIME」と大多数のロードバイク乗りと同じように思っている。ただ、高い。いつかがいつ来るかは不明だ。

サーベロ(CERVELO)

  • オシャレ度…7
  • レース  …10
  • レア度  … 7
  • CP     …6

カナダのサーベロと言えばエアロフレーム。UCLのレギュレーションギリギリの薄い(前方投影面積が小さい)フレームで、抜群の高速巡航性を誇る、らしい。知り合いに割と本格的なトライアスリートが2名いるのだが、両名共にサーベロのTTバイクに乗っている。彼らが言うには「40km以上の巡航が楽」とのこと。40km出すのが楽じゃないんだがね。割高なイメージがあるが、香港で買うと国内価格の6割程度で購入できる、らしい。

BMC

  • オシャレ度…8
  • レース  …8
  • レア度  …8
  • CP     …3

スイスのBMCは知る人ぞ知るブランドだったが、連載中の人気ロードレース漫画の主人公が乗ることになり急に知名度が上がった。BMCの代名詞は「iSC」と名付けられた形状のフレーム。シートステーが、トップチューブとシートチューブの接合点の下を通過して、トップチューブにまで及んでいる。こうすることでシートチューブのウィップ感が増し、またペダルを踏み込んだ時の反応もクイックになるのだとか。こういったシルエットだけでそのブランドと分かるフレームワークは、そそるものがある。

リドレー(RIDLEY)

  • オシャレ度…7
  • レース  …8
  • レア度  … 6
  • CP     …8

ベルギーの雄、リドレー。彼の国で多数開催されるクラシックと呼ばれるレースでは、舗装路だけでなく荒れた砂利道や石畳を高速で駆け抜ける。リドレーのバイクはそこで勝利を掴むため開発されているのだ。昔からリドレーのバイクは、エントリーモデルから他ブランドのグレードが一つ上のバイクと同じくらい良く走ると言われている。このブランドには好感しか持っていない。

キャニオン(CANYON)

  • オシャレ度…8
  • レース  …8
  • レア度  … 10
  • CP     …8

昇り龍という言葉がピッタリのドイツのキャニオン。2009年にロードバイク製造を開始して10年足らずで現在のポジションとは恐れ入る。飾り気のないグラフィックが、イタリアやフランスのメーカーのきらびやかな装飾に疲れたファンに響いたらしく、日本でも急速に人気を拡大しつつある。CPの値が高いが、これはひとえに販売方法が「直接通信販売のみ」ということに由来する。ロードバイク専門店にいってもキャニオンは売っていない。初心者にはちょっとハードルが高いかもしれないが、アフターサービスも充実しているのでチャレンジする価値はあるかも。

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オルベア(ORBEA)

  • オシャレ度…6
  • レース  …8
  • レア度  …8
  • CP     …8

エウスカルテル・エウスカディ・・・(涙)グランツールの一つ、プエルタディエスパーニャを長年彩ったオレンジ軍団の乗機がオルベアであった。ツールがバスクの山地を通過する時の、オレンジ色の旗を振り回す熱狂的なファンの存在は、明らかにロードレース文化を象徴するものがあった。ロードバイクのモデル名が「オルカ」と「アバント」しかないところも潔さを感じる。あらゆる面のバランスが取れたスペインのブランド。

2回に渡ってお送りしたロードバイクブランドに対しての私的イメージリスト。いかがだったろうか。取り上げたブランド以外ではラピエール(フランス)、スコット(スイス)、BH(スペイン)、アンカー(日本)などが有名どころだ。機会があれば第三回をやるべきかもしれない。これらメーカーは、製品もアフターサービスもしっかりしているので、どこのバイクを購入しても、そうそう失敗はないだろう。僕の印象はあくまで参考程度に、貴方だけの一台と巡り会うことをお祈りして拙稿を終える。

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