【はじめてのロードバイク4】初購入!の前に気をつけるべき4つのポイント

【はじめてのロードバイク4】初購入!の前に気をつけるべき4つのポイント

ロードバイクを手に入れる

今回は、いよいよロードバイクの初購入を決意し、雑誌やカタログで欲しいモデルをロックオン、お小遣いや貯金の中からそれなりの予算を確保して、あとはお店に行くだけだ!という貴方に向けて、購入にあたっての「注意事項」を4つほど、アドバイスさせて頂きたい。

Advertisement

筆者も経験があるが、新しい趣味を始めようと決意した瞬間というのは、大抵テンションがものすごく上がっている状態だ。一刻も早くグッズを手に入れて、さっさとその世界に足を踏み出したい。気持ちは良く分かるし、あえて水をさすつもりもないが、これから列記するポイントを既に知っていて検討済みなのと、購入してしまってから気付くとのでは大きな違いがある

他の記事でも言っているが、ロードバイクは他の趣味と比較しても初期費用がかさむ娯楽だ。後から心残りにならないよう、是非ご一読頂きたい。

1.保管場所は確保されているか

自動車ほどでないにしろ、ロードバイクは保管場所にかなり気を使わなければならない乗り物だ。基本的に自宅、それも部屋の中にて保管することが推奨される。

いくつも部屋がある豪邸にお住いの方はさておき、家の中にロードバイクを実際持ち込んでみると、ショップにある時の印象よりずっと大きいことに気付かされる。同居人の理解はあらかじめ得ておいた方が良いだろう。

「うちのマンションの駐輪場は屋根あるから」そんな風に考えている人も少なくないのではないか

まずロードバイクは非常に高価である。貴方だけでなく、一般の方もそれを知っている。片手で持てる重さの数十万円の価値がある品を、人目がない駐輪場に置いておく。言わなくてもどれほど不用心なことかお分りいただけるだろう。

「施錠さえしてあれば大丈夫」、残念ながらそんなことは全くない。ショップの売り場では、安全性がどれだけ高いか、どれだけ破壊が困難かを謳った頼もしい自転車用ロックやチェーンが並んでいる。断言できる。絶対に盗難されない鍵などこの世にない。良からぬこと考える者の中には専門の窃盗団のような連中もいて、時間さえあればどんなロックも電動工具で破壊されてしまう。盗難は、この趣味に関わる人間共通の大きな悩みだが、まず自衛の意識が必要だ。

またセキュリティが仮にきっちりしていて、マンションの入居者しか入れない、しかも警備員も監視カメラも配置されているような駐輪場でも、ロードバイクのフレームはちょっとしたことで傷が入るし、ディレイラー部分は隣に停めてあるママチャリを軽くぶつけただけでも故障する可能性があるほど繊細だ。

自宅内に専用の置き場を。単純なようでいて、結構困難な命題ではある。

2.購入する時期

一般的に、ロードバイクの各フレームメーカーは、7月から9月にかけてその年のニューモデルを発表する。そして10月くらいから、取次のショップにて受注を行うのだ。

このことから何が言えるか。

まずロードバイクショップでは、夏から秋に向けて「在庫処分」として前年度モデルの完成車やフレームの値下げ、セールを行う傾向にある。「安く買いたい」そう考えるのであれば、この時期にショップを巡ることがオススメだ。ただレアなブランドであればあるほど、ピンポイントで「このモデル、このサイズ、この色」という条件付きのお買い得品を見つけるのは難しいと思うので、ある程度選択に幅を持たせて探すと良いだろう。

また「型落ち完成車」を買う際は、シマノ、カンパニョーロ、SRAMといったコンポーネントメーカーのフルモデルチェンジの時期にも注意が必要だ。年をまたいで大きな変更が加えられる際、旧モデルは従来よりも価格がより安くなる傾向にある。のちにアップグレードするかもしれないパーツの互換性など、ショップの人に詳しく聞いてから手を出すことをオススメする。

Advertisement

カタログや展示車を元にニューモデルをオーダーする場合は、完全に自分の希望にかなったバイクを手に入れることができる。この場合は、人気メーカーの人気モデルは早々に受注を締め切ってしまうことが多いのと、価格はメーカーの希望小売価格で購入することになるので、そういった面で注意が必要だ。

また受注生産なら言うに及ばず、在庫車販売だったとしても、購入したその日に乗って帰れるなんてことは殆どない。どんなショップでも納車前の整備はするし、忙しい店だとその期間を一ヶ月近く待たせたりしてくる。

「紅葉が綺麗だから、自転車乗って見に行きたいな」

そう思ってから買いに行っても、納車の頃にはすっかり冬、なんてことになりかねない。葉っぱなんて毎年生えてくるが、友人とのツーリング旅行やイベントに参加するために間に合わせたい、とかだと選択の幅が非常に狭くなってしまう恐れがある。日程には余裕を持って、後悔のない買い物をしてほしい。

3.ショップ選びについて

ロードバイクのショップ選びについては、経験者はそれぞれ一家言持っているものだ。曰く「家から近いほうがいい」「腕のいい整備士がいる店がいい」「アフターサービスが充実している店がいい」などなど。

まず言えることは、前回の記事前々回の記事でご紹介したように、ロードバイクのフレームを作っている企業はたくさんある。そして、それら全てを網羅して品揃えしているようなバイクショップは存在しない

「在庫なくても取り寄せて貰えるんじゃないの?」ー否だ。店によって卸せるブランドは契約の都合上、決まっている。実際出向いて、変な空気になったり違うメーカーのものを強引に勧められたりしないよう、下調べはある程度してから行ったほうがよい。

このことからショップは「家から近い」に越した事はないのだが、扱うブランドの種類によっては、遠方の店にしか取り扱いがないことはままある。欲しいと思っていたのと違っても、家から近い店の取り扱いブランドから選んだ方がいいのだろうか

僕はそんなことはない、と考える。さすがに自宅から100kmとか離れているのは考えものだが、ロードバイクに乗るようになると20kmとか30kmは「ちょっとそこまで」くらいの距離だ。メンテナンスでショップに自転車を持ち込まなければならないとしても、乗って行ってしまえばいいし、自走できないくらいの故障の際には、店がどこにあろうと自動車で運ぶか輪行(前輪を外して袋に入れて持ち運ぶこと)するしかないのだから。

また、一般的に型落ち商品の値下げ幅などは、個人経営のショップよりも量販店の方が大きいのは事実だ。そして量販店や何店舗か構えるチェーン店のメカニックは、独立開業した個人経営のお店の人より腕が悪いのかというと、決してそんなことはない。

だが、個人経営のお店は、お客さん一人一人を記憶していてくれていることが多いので、うまく関係性を築ければ、自転車にまつわる相談事に気軽に応じてくれるだろうし、量販店では工賃を取られてしまうちょっとしたメンテナンスも、サービスしてくれたりもする。

よってショップ選びについて僕がアドバイスするとしたら、まず「欲しい自転車が売ってること」そしてできれば「フィーリングが合って、気軽に(距離の話ではなく)行きやすいこと」というあたりがポイントとなる。

Advertisement

4.自転車以外に必要なもの

長くなってしまったが、最後に自転車本体以外に、バイク購入時絶対に必要となるものをお伝えしておきたい。細々した備品類に見えるだろうが、合計するとなかなかの金額になる。自転車購入予算にあらかじめ編成しておいたほうがいい。

まずヘルメット、初心者であろうとなかろうと、着用しないで乗ることは避けるべきだ。最近は自転車ブームなので、ファッションブランドなどが発売している、大昔のヘッドギアを真似た「オシャレヘルメット」もよく見かけるが、40km以上のスピードを出すことができるロードバイクに乗る以上は、後頭部までしっかりガードする形状の、外殻が硬質素材の品を購入することを強くオススメする。

そしてペダル。これはまあ、ショップの人に案内されると思うが、ロードバイクは「ペダル別売り」が基本である。初心者が購入するのに、フラットペダルがいいかビンディングペダルがいいかは別稿に譲るとして、ペダルがないと走れないので当然これも必要だ。

次に空気入れ。大抵の人が、ロードバイクを初購入した日に、その日には乗って帰れないので空気入れを買ってそれだけ抱えて帰ることになる。タイヤチューブのバルブが、ロードの場合ママチャリなどと違う「仏式」なので、専用の空気入れが必要となる。これも必需品。

流線型のスポーツサングラス。車道を自動車と一緒に走っていると、タイヤに跳ね飛ばされた小石が、顔面近くに飛んでくることがある。また、ある程度のスピードで走ると目を開けてはいられないほどの風が吹き付けてくる。「サングラスならいい」訳ではない。普通の四角いメガネでは、風は外側を巻いて眼球に吹き付けてくる。高価なものでなくても用は足りるので、スポーツ用のサングラスが必要となる。

最後にライト。「昼間走るから平気」ではなく、ちょっとした悪天候に見舞われた時や、出先でトラブルであたりが薄暗くなってしまった時など、必要な場面は思ってるより早くやってくる。美しいフレームに余計なものを付けたくない、なんてこと言わないで必ず装備するようにしよう。できればフロントとリア、両方あるのが望ましい。

以上、ヘルメット、ペダル、空気入れ、サングラス、ライトの5点が「ないと走れない」ほどの絶対必需品だ。ウェアやレーサーパンツ、ボトルやボトルケージなどは、もちろんあった方がいいが、なくても走れないほどではない。自転車に慣れてきたら、徐々に買い揃えても十分間に合うだろう。

以上、4点、老婆心でアドバイスさせて頂いた。貴方のロードバイクライフが実り多きものであるよう祈願して拙稿を終わる。

Advertisement

自転車カテゴリの最新記事