【ロードバイクでダイエット2】背伸びして三本ローラー使ってたら、空を舞い走馬灯を見た話

【ロードバイクでダイエット2】背伸びして三本ローラー使ってたら、空を舞い走馬灯を見た話

冬のトレーニング

皆さま、ごきげんよう。

すっかりお寒い季節になりましたが(執筆時12/20)、乗ってますか?自転車。

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ママチャリに乗っている頃はあんまり気付きませんでしたが、冬に長時間自転車乗るのってビックリするくらい寒いですよね。

ロードバイクに乗り始める前は存在すら知らなかったシューズカバーやフェイスカバー、イヤーウォーマーなんかでフル装備して、勢い込んで家を飛び出すわけですが、走ってるうちは体もポッポしてますのでまだよくても、一旦休憩しようもんなら汗が冷えて、寒いを通りこして一気に具合が悪くなってくるなんてこともしばしば。

自然、冬のロードバイクトレーニングは、身につける装備の多さからくる面倒くささや、寒さへの恐怖から出足が鈍りがち。とはいえ何もしないと、つれづれなるがままに肥えていってしまうのもまた事実。

そこで気になってくるのが、「ローラー台」というアイテムです。

仕組みはローラーコースターなんかと同じで、金属のフレームに横置きで取り付けられた、プラスチックの円筒状のロールの上に自転車のホイールの乗っけて、そのままこぐと、ロールがホイールと逆回転することによって路面の代わりとなり、その場にいながらにして自転車をこぎ続けることができるという代物です。

固定ローラーか三本ローラーか

で、このローラー台ですが、大きく分けて2種類ありまして。

ひとつは自転車をローラー台に固定する「固定ローラー」と、ふたつめは三本のロールの上に自転車をひょいと乗っけてそのまま走る「三本ローラー」です。


こちらが固定ローラー。


こちらが三本ローラーです。

見かけ以外何が違うのかというと、まず前者はその名の通り、前輪を外し自転車とローラーを「固定」しますので、とにかく安定しています。使用法にコツも何もなく、ただ乗って足を回すだけですのでフィットネスジムとかにあるエアロバイクとほぼ同じです。安定している分、高負荷(激しく足を回したり、重いギアでこぐこと)の練習に向いていますが、エアロバイクと同じで作業感が強く、長く続けるのにはメンタルの強さが必要です。あとデメリットとしては、専用の後輪ホイールとタイヤを用意しておかないと、本当にびっくりするくらいタイヤが減ります。ローラーの同じ場所に後輪が当たり続けるため摩擦熱が高くなってしまうのです。タイヤの減りかたは、普通のレースタイヤであれば、30分くらいのトレーニングで1本ダメになってしまうくらい。ロードバイクのタイヤは高価なので、無視できない要素です。

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後者はですね不安定なローラーの上に自転車が乗っているだけなので、漕ぎ出してホイールの回転によるジャイロ効果が発生しないかぎり、安定はしません。乗りこなすのにはコツが必要なのと、ちょっとした勇気が必要です。三本ローラーでの走行感は実車に近いものがあり、ローラーの狭い幅をまっすぐ走り続けることで、正確なペダリングが身につくと言われています。スリルがある分、若干ですが固定ローラーより退屈を感じるのが遅いかもしれません。こちらはローラーの上を少しですが左右に移動できるので、固定ローラーほどタイヤは減りませんが、前後輪同時に減るので一概にコストパフォーマンスが良いとは言えません。使用時に固定ローラーより大きな騒音がしますので、その点も注意が必要です。

読んだ感じでお分かりかと思いますが、「固定ローラー」は初心者でも使えるけど、「三本ローラー」はやや中上級者向けといった感じです。

三本ローラーの使い心地

で、ここからは僕の経験談です。

僕はですね、昔から「簡単な方」と「難しい方」を選択しなければならないときは、必ず「難しい方」を選んでしまうという性格の持ち主です(知らんがな)。小学生のころから寿司は「サビ入り」ですし、TVゲームも難易度が選べるときは「ハードモード」を選択しますし、ラーメン二郎では初回入店時から「大ブタ野菜マシマシ辛め」を注文してお腹を壊しました。

ただの身の程知らずなんですが、「難しいから自分にはできない」と思うのが嫌なんですよね。そんなわけで、冬のトレーニングに困ってローラー台を選ぶ時も、その「簡単な方」「難しい方」の二択、挑戦を受けたと勝手に思い込みまして、いっさい迷うことなく「三本ローラー」を購入しました。(ロードバイクをはじめて二年目くらいの時)

使い始めは怖かったです。

ジャイロ効果を発生させるためには、漕ぎ出しから結構な勢いでペダルを回さなくてはならず、感覚として自転車のペダルを室内で勢いよく漕ぐということが、「前に進んで壁に激突する」という恐怖感を生んでかなり戸惑います。またローラーの幅も狭いため、車輪が落ちないよう下を見てしまい、結果ポジションが崩れて車体がぐらつき余計危なかったりします。

ただ人間というのはやっぱりどんな状況でも「慣れる」もので。2、3日するとローラーに乗るのが何でもなくなり、一カ月くらいすると、両手を離した状態でペダルを回し続けたりできるようになりました。三本ローラーのコツは、恐怖心を克服して、上体を起こして前を見た状態でペダルを回す、それだけです。

で、初心を忘れず、リスクがあるものに乗っているんだという意識をずっと持っていればよかったんですが、僕の場合どんどん調子に乗りまして。イヤホンでラジオ聴いたり、片手でスマホいじったり、両手を離してドリンク飲んだり、こぎながらテレビ見たりするようになっていったんですね。

先ほど、ローラー台のデメリットとしてタイヤがすぐ減ると申しましたが、この頃になると、このタイヤの減りを軽減するために、漕ぎながら自転車を微妙に揺らして、狭いローラーの幅一杯に使って、なるべく熱がたまらないようにしていました。そんな難しいことをやりながら、気を散らせていたので、当然バチが当たります。

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密室での交通事故

三本ローラーの上で絶対にやってはいけないこと。それは「ブレーキをかけること」です。

その日、僕はもうすっかり慣れ親しんだ三本ローラーの上で、ペダルを回しつつラジオから流れる曲に合わせて歌いつつ、スマホ操作をしていました。いつもの癖で片手でハンドルを揺らしながら。で、なんとなく目の隅にうつる部屋の景色が、いつもよりちょっとずれてるな、と思って下を見ると前輪は今まさにローラーを外れフレームにはみ出す瞬間。「やべえ!」と思って咄嗟に握ったのは、右手はスマホ持ってますので、左手側のリアブレーキ。

三本ローラーの上で走行中リアブレーキかけるとどうなるか。

答えは「後ろの方角に吹っ飛ぶ」です。

もうね、慣れ親しんだ家の中なのに、観たことない景色ですよ。きりもみ回転しながら空中に浮かんでるコンマ何秒の間、「あ、この角度で部屋を見たことないなあ。」とか「ヘルメットしてないし、やばいぞこりゃ。」とか「明日の飲み会行けるかな。」とかいろんなこと考えましたね。

で着地と同時に体を襲う衝撃。

幸い、綺麗に回ったせいか、お尻と背中を激しくフローリングの床に叩きつけて、しばらく呼吸ができなかっただけで済みましたが、もし、打ちどころが悪くて首でも折って死んでしまって、そのあと家人が自転車を片付けてしまったら、家の中で体をあちこち打ち付けて交通事故のように死んでいる不審死として、司法解剖に回されて、沢口靖子(科捜研)や石原さとみ(アンナチュラル)に素っ裸で会うという憂き目にあっていたかもしれません。

大事な自転車には大き目の傷が入るし、部屋の中はめちゃくちゃになるしで、散々でした。

皆さまも冗談ではなく、三本ローラーは扱いをあやまると家の中でも大怪我しかねませんので、僕の愚行を参考に、気を付けてトレーニングしてくださいね。

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