重力場という発想
ニュートンは「万有引力」を発見した。
その際、リンゴと地球の間には引力を伝える「不思議な何か」があるとし、そのおかげで引力は一瞬にして伝わるとした。
しかし、何故引力が発生するのかは不明のままであった。
アインシュタインはこのことについて、地球という大きな物質があるとその周囲の時空は歪んで凹み「重力場」を形成する、樹から離れたリンゴはこの凹みに沿って地球に向かって落ちていき地面にぶつかる、この現象が重力(引力)である、と説明した。
また重力の伝わる速度は、ニュートンが言ったような「瞬時」ではなく、有限であり、光速度と同じ秒速30万kmとした。
波が伝わるには媒質を必要とする。
音ならば空気の分子、海の波なら海水、地震波なら地殻がその媒質となる。
ところが、光(電磁波)は真空中でも伝わる。
エーテルは否定され、媒質は存在しない。
そこで「場」という概念が登場した。
この宇宙には電磁場が存在し、そこを光が伝わっていくのだ。
この電磁場にヒントを得たアインシュタインが、光と同じく真空中も伝わる重力のために「重力場」を発想したのである。
物質があると時空は歪む
あまりにも微小な変化であるため感知することはできないが、我々人間ひとりひとりをとってみても、体の周囲の時空は歪んでいるのだ。
時空の歪みは、「重力場」を形成し重力を発生させる。
下のイラストは極端な概念図だが、あながち出鱈目でもない。
チャップリンはある時、アインシュタインと会いこう言われた。
「あなたは素晴らしい、一言の言葉も使用せずに世界中の人々を感動させるのだから。」
それに対しチャップリンはこう返した。
「いや、博士の方が素晴らしい。世界のほとんどの人はあなたの相対性理論を理解していない。それにも関わらずあなたは世界一有名だ。」
時空と物質と土俵入り
一般相対性理論によると、空間に、例えばお相撲さんという質量が存在すると、そこの空間は歪むし、時間も遅れる。
そしてそのお相撲さんが運動すると、さらに時間は遅れる上に、運動エネルギーの一部が質量に変化するため、彼の質量は増えるのだ。
但しその変化は非常に小さいため、検出することはできない。
お相撲さんが四股を踏むのは、そもそも地面を清める目的があるそうだが、空間という場と、人間との間には、何らかの相互依存関係があるということを、昔の日本人はそれとなく察しており、それが神事の一部として連綿と伝わってきているのかもしれない。