【判った気になれる一般相対性理論その2】ポイントとなった二つの気付き

【判った気になれる一般相対性理論その2】ポイントとなった二つの気付き

重力と加速度運動は等しい

自動車や飛行機などの乗り物が、速度を上げたり下げたり、あるいは方向を変えたりするとき、すなわちこれらを加速度運動と呼ぶわけだが、その際これらに乗っている我々は、重力に似た力が自分にかかったり、あるいはそれから解放された無重力状態を感じることができる。

 

アインシュタインはこの現象をとらえて、重力と加速度運動は同じものだという着想を得た。

そしてこの気づきの時が、人生で最も幸せな瞬間であったと語っている。

音楽を生涯の伴とした彼のことだから、その瞬間、さぞかし美しい調べが彼の脳内に響いたことだろう。

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曲がる時空という発想

異なる赤道上の2点から同時に北を目指して飛び立つ飛行機は、最初は互いに平行して飛ぶが、極に近づくにつれて次第に接近し、北極上ではついに衝突してしまうだろう。

このことに、私などの凡人は「当たり前ではないか。」と何の疑いを持たないが、アインシュタインは違った。

彼は不思議と感じたのだ。

念のため真っ平らな空間を想像してみると、そこで同じ方向に飛ぶ二機の飛行機は、ずっと平行飛行したままぶつかる心配はないはずである。

何故、地球上で進路を北にとると飛行機は接近してしまうだろうか。

 

次に大きなトランポリンをイメージしてみる。

そのトランポリンの上に大きな重い球を乗せると、その部分は凹む。

そしてその球から離れたところに小さな、より軽い球を乗せると、やがてその小さい球は大きな球が作る曲面に沿って転がり、やがて大きな球と接触するだろう。

 

北極に向かう飛行機と、トランポリンの上の球の動きには共通点がある。

それはどちらも曲面が関係している、という点である。

この2つの事象から、アインシュタインは曲がった時空が重力という働きをもたらすのだと気づいた。

そして前段で述べた、加速度と重力は同じものであるという着想、この2つの気づきを合わせて、ここから特殊相対性理論では扱えなかった日常の加速度運動を対象とする一般相対性理論が構築されたのである。

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