【ラクガキ旅日記1】真鶴半島には日本の自然の縮図がある

【ラクガキ旅日記1】真鶴半島には日本の自然の縮図がある

豊かな森と海

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管理の行き届いた豊かな森があり、その森から、かつては樹木の枝葉を構成していた鉄分を含む様々な養分が雨水と共に海に流れ出すと、やがてプランクトンが発生し、そしてそれを餌とする魚介類が集まって来る。

真鶴の海は恵まれている。

一時間もあれば歩いて一周できそうな小さな半島の右側にも、左側にも漁港がある。

先端部の海岸には大きな岩が相模の海に洗われている。

三石という縁起が良いとされている岩だ。引き潮ならば、濡れることなく岩に行けるが、満潮だと打ち寄せる波の勢いが強いので命の危険ありだ。

真鶴半島は山である。半島の中心部が一番標高が高い。

そのあたりに旅館が何件も営業している。眺望は抜群だ。

片方の海の彼方に房総半島が、反対側も同じく海を隔てて伊豆半島が肉迫している。

本土の方に目を向ければ、丹沢山地から湘南・江の島が広がっている。

絵の鶴は想像である。「真鶴」の町名は、町の形からとられている。半島を嘴に見立てているわけだ。

何度も訪れているがこの地で鶴を見かけたことはない。出てきてクレーンかなと毎回思う。

長者貝小噺

遠藤貝殻博物館が、半島の一番突端にある土産物屋の二階にある。

貝殻の博物館だけあって、珍しい貝殻が沢山陳列されている。中でも、長者貝が見事。訪れる人は少ないので落ち着いて見学できる。

日本は、世界で最も貝類の多く生息する場所である。カイコク日本である。

明治9年ごろだったか、イギリスの大英博物館が長者貝を東京大学経由で、貝採取の名人青木熊吉さんから買い付けた。

価格は1個40円ほど。当時の値段で家が一軒買えるほどの高額であった。

長者貝は当時、それほどまでに希少な貝と認識されていたのだ。

今では世界のあちこちで発見されているのでそれほど珍しくもない。

私も一個所有している。

もといその熊吉さんが、この貝のおかげで金持ちになったことから長者貝の名前が付いたそうだ。

オキナエビスガイ(Pleurotomarlldae)が正式名称。生きている化石の一つだ

この貝の開口部からスリットが数センチ走っているので、英語名はslit shell(スリットシェル)である。

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