20世紀最大の発明『ライトフライヤー』

20世紀最大の発明『ライトフライヤー』

20世紀最大の発明とは。私見ではライト兄弟の手による、動力付きでパイロットが搭乗できる航空機、ライトフライヤー(Wright Flyer)がそれだ。

ライト兄弟は自転車屋を経営していた。彼らの技術と資金はそこから産み出されたもの。初めての飛行機と自転車が親類だったとは面白いものだ。自転車と同様のチェーンによる動力伝達方式を採用した。

彼らにとって良きライバルはグライダーで飛んだオットー・リリエンタール。ずっと注目していた。彼の死後、兄弟の情熱は沸騰する。

兄弟の学歴は高校まで。空飛ぶ機械を設計するための専門教育は受けていなかった。しかし彼らの母親が、子供が欲しがるものは買い与えずに自分の手で作るよう指導した御蔭で、彼らは独自の技術を身に着けることになった。母は偉大なり。

仕事場から遠いキティホークという大西洋に面した砂地が飛行実験場として選ばれたのは、風向きが好都合であったから。猫(kitty)が好きだったからではなさそう。

当時の科学者は、機械が空を飛ぶことは科学的に不可能としていた。「いや、そんなことはない、空を飛ぶことは可能のはず」と、ライト兄弟は自分たちがrightであることを証明したわけだが、アメリカのスミソニアンなどの博物館は、飛行からしばらくの間、ライト兄弟の成功を認めなかった。ところが現在は、ワシントンDCのスミソニアン航空博物館を訪れると、巨大なエントランスホールの上部に、ライト兄弟が遺した言葉がでかでかと掲示されている。

What is right now can be wrong years later. Conversely, what is wrong today can be right years later.

「今、正しいとされていることが後に誤りなることもあれば、反対に、今間違っているとされていることが後に正解となることもあるのだ。」

彼らはビジネス面でも抜け目がなかった。初飛行の9カ月も前に特許を申請していた。こういうところはトーマス・エジソンと似ている。欧米社会では特許制度が早くから確立していたのだ。後に特許収入を得て余裕のある人生を送ったそうだ。めでたし、めでたし。

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(イラスト・文: YOGI age71)

 

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