【高輪ゲートウェイだけじゃない】キラキラ駅ネーム・私的ベスト5

【高輪ゲートウェイだけじゃない】キラキラ駅ネーム・私的ベスト5

新駅名発表の余波

衝撃のJR東日本・山手線新駅名発表から数週間。

「高輪ゲートウェイ」というネーミングの由来に新説が飛び交っていますね。

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新説の前段として、有名な台湾のPCブランドに、その名も「Gateway(ゲートウェイ)」というものがあります。このブランドのロゴが、白と黒のホルスタイン柄なんですね。IT業界では「ゲートウェイ=牛」として馴染みの存在です。

この話が新駅名とどう関係あるのかと言いますと、新駅ができるあのエリアは江戸時代、「高輪牛町」という町名だったそうです。市ヶ谷見附の石垣を普請するのに、資材運搬のための手段、牛車が大量に必要とされたんですが、その差配を担当した牛持人足たちに、その功績をもって幕府が定住を認めたエリアがあのへんだったので、やがて「牛町」と呼ばれるようになったとか。

ひょっとして、この「牛」から「ゲートウェイ」を引っ張ってきて、「高輪牛町」変じて「高輪ゲートウェイ」なんじゃねえの?と、まあ読んでてお判りのようにネタ以外の何ものでもない説ですが、著名人に依る駅名撤回の署名運動がニュースになったりと、ここまで世間を騒がせた新駅名も珍しく、炎上覚悟のプロモーションだったとしたらむしろJR東日本の思うツボな気がしないでもありません。

とはいえこのネーミングセンスは、格式高くもなければ、逆に現代的でもなく、1990年代初頭のバブル末期、ホイチョイムービー的な匂いがするのは事実。

この手のキラキラしてる鉄道の駅名って他にもあるのかと気になったので調べてみたら、案の定結構存在するようです。その中から「なかなか香ばしい」と思った駅名を印象が強い順に5つご紹介します。あくまで一個人のイメージですので、近隣の方は広い心でお読み飛ばし下さいませ。

第5位

とうきょうスカイツリー駅(東武鉄道・伊勢崎線)

「ずいぶんベタなとこ来たな。」と思われるかもしれませんが、僕は個人的にこの駅名に、ある年代の鉄道事業者特有の独特のセンスが集約されているような気がしてならないのです。まず彼らは新駅名を制定するにあたって、歴史を非常に軽んじる傾向にあります。

この駅も名前がコロコロ変わっており、開業当初は「吾妻橋(あづまばし)駅」、途中「浅草駅」を経てスカイツリーができるまでは「業平橋(なりひらばし)駅」でした。声を大にして言いたいのは「業平橋駅」というカッコいい名前のどこに変更する必要があったのかということ

百歩譲って、社運をかけてつくった施設のPRをしたいという点を飲んだとしましょう。しかしこれも言うまでもありませんが、この駅の真上にそびえるタワーは、「東京スカイツリー」です。平仮名表記ではありません。事業者によると、この「とうきょう」表記の理由は「東京駅」や「東京テレポート駅」と区別し、見た目にわかりやすくするためだとか。

「東京」を読めないのは、幼稚園児だけです。外国人にとっては「とうきょう」だろうと「東京」だろうと日本語には変わりありません。そしてですね、いいですか?たぶん「東京テレポート駅」と「東京スカイツリー駅」を混同する人は、1億2千万の全国民で一人もいないと思います。なんか「わかりやすくするため」っていかにも利用者の為に考えました、みたいな体が欺瞞と責任逃れを感じるんですよね。

「ひらがなの方がセンスあると思ってつけました。」って言ってくれたらね。そしたらまあ、同じように批判したとしても「カッコイイと思ったなら仕方ねえな」と思わなくもないかも。

第4位

ささしまライブ駅(名古屋臨海高速鉄道・西名古屋港線)

こういう駅名で多いのが、駅前にある既存の大規模商業施設の名前をそのままつけてしまってるパターン。もう存在するなら仕方ない。判りやすさという観点からも、「施設の名前ポン付け」駅名については、本来責められるべきは、施設名をつけた側、なるべく多めに見ることにしています。

この駅名も駅の南側の再開発事業「ささしまライブ24」由来の名称。パッと見、ありものの名前ポン付けパターンですので、罪深くないように見えますが、この駅名の真価は英文表記にあります。

Sasashima-raibu Station

raibu?なぜローマ字読み?

理由を調べたところ、開発事業「ささしまライブ24」の英語表記は「Sasashima Live24」、これをこのまま駅名にしてしまうと「ささしま生きてる駅」となってしまい、変な意味になるので(笑)ローマ字にしたんだとか。変な意味って、元ネタ否定するなら持ってこなければよいのでは?

ちなみにイギリスでRAIBとは「鉄道事故調査委員会」のことです。縁起でもないですね。

周辺施設の名前を戴いてるのに、使われた英語っぽい部分で苦労している駅名ってことでは、しなの鉄道の「テクノさかき駅」や大井川鐡道の「アプトいちしろ駅」なんかも挙げられます。

第3位

中央大学・明星大学駅(多摩都市モノレール・多摩都市モノレール線)

キラキラネームとは言えないかもしれませんが。単純にどっちかにできなかったものかと。

駅名決定の経緯を調べると、想像したより遥かに両大学がこの駅名についてバチバチ争ってて笑ってしまいました。

先日ニュースで見たんですが、長野県と静岡県は「峠の国盗り綱引き合戦」と称して、毎年県境のラインを争って綱引き大会をするんだとか。勝った方が1メートル県境を相手側に広げることができるんだそうです。

これに倣って、中央大学と明星大学も綱引きすりゃいいのに。勝った方の名称を採用するのです。

毎年やるのは表示を変えたりするコストが大変でしょうから4年に1回とか。

ニュースでも取り上げられるだろうし、箱根駅伝みたいに盛り上がるかもしれませんよ。

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第2位

たまプラーザ駅(東京急行電鉄・田園都市線)

本来は1位でもおかしくありませんが、筆者と非常に縁が深い(実家が所在)駅であるため、なんとなく公平を期すため2位にしました。

マツコ・デラックスさんに目の敵にされてる感のある、わが「たまプラーザ」ですが、この名称はかつての東京急行電鉄社長、五島昇さんの鶴の一声で決まったものだそうです。

何でも東急電鉄肝いりの「多摩田園都市計画」、そのモデルタウンとしての冠「たま」に、みんなが集まる「広場」をイタリア語にして「プラーザ」を合わせたんだとか。

あまりの常人離れしたセンスに、もうダサいのか一周回って逆にカッコいいのかわかりません。

僕が小学校高学年の頃、一家でこの町に引っ越してきたんですが、父親が言うこの駅名を「そんな変な名前の駅が実在するわけがない」と駅舎を自分の目で見るまで信じられなかったことを覚えています。

略称は「たまプラ」。タクシーの運転手さんには、京王線「多摩センター駅」や、JR東海道線「鎌倉駅」とよく間違えられます。

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第1位

流山セントラルパーク駅(首都圏新都市鉄道・つくばエクスプレス)

第4位同様、この流山セントラルパーク駅も、駅前にあるでっかい公園が「セントラルパーク」を冠しているのならば手心を加えるつもりだったのですが、調べてみると駅前にある巨大な公園は「流山市総合運動公園」という名称。

となるとセントラルパークは?

世界の流行の発信地ニューヨークを象徴する、映画でジュリア・ロバーツが食べて祈って恋をしてたあの公園のイメージにあやかるためだとしたら、残念ながらその業の深さはこの順位にならざるを得ません。

念のため近隣住民の名誉のために書きますが、この駅名を制定する前の市民アンケートでは「流山運動公園前駅」が多数を占めたとか。

それを市の委員会が街のブランディングがどうだかいう理由でこっちに決めたんだそうです

なんかすごく最近聞いたことがあるような経緯ですね。

いかがでしたでしょうか。お近くの駅があげつらわれてお気を悪くされてないといいのですが、あくまで標的は駅名であって、地域の印象は無関係に選出しています。こうしてみると「高輪ゲートウェイ」はまだマシな方な気がしてくるのが不思議です。おそらく撤回を要求している人たちは、東京の中心を環状に囲む山手線駅名に「格式」を求めているのでしょう。個人的にも「~前」みたいなバスの停留所のような駅名は面白くないと思います。駅名は利便性より、その土地が辿ってきた歴史に根差したものにして欲しい、ブランディングというのは京都の嵐山鉄道のようにやるものではないか、といったところで拙稿をお開きにしたいと思います。ご精読ありがとうございました。

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