世界初の新造空母
世界で初めて、最初から航空母艦として設計・建造されたのは日本海軍の『鳳翔』である。
1921年進水/基準排水量7,500トン/速力25ノット/全長170メートル
搭載能力:10式艦上戦闘機などを20機程度
10式艦上戦闘機は、空母『鳳翔』と共に開発された海軍初の国産艦上戦闘機。
木星の骨組みに羽布張りの複葉機。130機生産された。
重量1トン弱/速力200km/h弱
F6F艦上戦闘機
米国海軍の主力戦闘機でゼロ戦のライバルと言えよう。
主翼を胴体の近くで大きく折りたたむことができ、空母の搭載機数増加に貢献した。
1,000馬力のゼロ戦に対し、倍の2,000馬力という強力なエンジンを積んでいるため、機体を堅牢に造ることができた。
機体に余裕があったため、パイロットや燃料タンクといった「戦闘機の弱点」を重たい防弾鋼板で保護することができた。
ずんぐりした機体で鈍重に見えるが、実情は軽快且つ操縦性に優れ、未熟なパイロットにも容易に操縦ができたという。
また、生産性向上のため設計上の工夫も様々に施されていた。
ミニッツ級原子力航空母艦
現在のアメリカは基準排水量8万トン(満載時10万トン)もある巨大な空母を合計10隻(2017年時点)運用している。
全てミニッツ級と言われる世界最大の軍艦である。
そのうちの一隻、『ロナルド・レーガン』は横須賀に配備されている。
この艦が完成した1998年には、私はアトランタに居てテレビで就航の様子を見た。
飛行甲板の全長は330メートルもあり、原子炉2基が発生させる蒸気を動力源とする。
航空機を70機程度載せ、5,000名の乗員が働く。
1つの街ほどの規模があるから、艦内には商店、娯楽施設はもちろんのこと、監獄も用意されている。
タイ王国の航空母艦
戦前、戦中は日本製の艦艇をもって海軍を構成していたタイ王国。
現在はスペインなどの欧州から艦艇を購入している。
規模は、航空母艦「チャクリ・ナルエベト」を保有するなどして東南アジア有数の海軍に育っている。
艦載機のハリアーとヘリコプターをそれぞれ6機搭載。
ハリアーは垂直に発艦することも可能な便利な戦闘機である。
メイド・イン・グレートブリテン
インド海軍の航空母艦
インド洋の東西二方面に同時に作戦行動がとれるよう、それなりの規模の海軍を擁しているインド。
航空母艦を3隻保有。他に潜水艦も20隻運用するなど、ハード面では日本を上回る。
↓空母『ヴィクラマーディテイヤ』ロシア製
↓艦載機『ミグ29』ロシア製
空母も艦載機もロシア製が多いが、インド海軍と米国海軍の結びつきは強く、常に共同訓練を行っている。