初代ゴジラよ、永遠なれ

初代ゴジラよ、永遠なれ

人生70年。これまでに観た中で最も好きな映画は初代『ゴジラ』(1954)である。

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千葉の田舎の、床がゴミだらけで空気も汚い映画館で、ピーナッツをかじりながら友達と立ち見で観た。戦後間もない貧しい日本が生んだ大ヒット作である。この映画では人間がゴジラの着ぐるみを着て暴れた。

「人間入ってる!頑張ってる!」

破壊される街、鉄道、鉄塔、戦車、戦闘機なども全て模型であった。

安心してください。中は人間です。

ハリウッドに於いては今も、日本発のキャラクターの中で一番人気である。

国内と同様、初代ゴジラはアメリカに大きな衝撃を与えた。

弁護士アイアンサイドで有名な、目玉ぐりぐりのレイモンド・パーが新聞社の特派員に扮し、ゴジラを目撃、報道する形にした再編集版『Gozila King of Monsters』もアメリカ、日本の他諸外国で上映され好評であった。

英語の綴りに「God」が含まれるところが、個人的にすごく気に入っている。

その後、日米双方にて数多くのゴジラ・シリーズが作られたが、やはり第一作にはかなわない。

『ジュラシックパーク』(1993)以降、CGによるモンスター表現が一般的になって久しいが、

着ぐるみのほうが、断然楽しい。IT技術も行き過ぎるとどうもつまらない。

このことと、いくらプラスティックの方が軽くて壊れにくいし安い、といっても日々の食卓に並ぶ食器は

重く壊れやすく高価なセラミックであり続けている事情とどこか似ているような気がする。

手作り作品の持つ味わいは忘れられない。

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(イラスト・文: YOGI age71)

 

 

 

 

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