【後のり御免】全年齢全性別の人類が読むべき漫画『トクサツガガガ』について

【後のり御免】全年齢全性別の人類が読むべき漫画『トクサツガガガ』について

今さらトクサツガガガをおススメ

2015年には『このマンガがすごい!2016』のオトコ編第17位にランクインし、既刊15巻(2019年1月30日現在)を数え、NHKで実写ドラマまで放送しちゃってる作品を、いまさら「おススメ」という体で記事書くのも、遅参が徳川秀忠なみで恥ずかしいのですが、先日立ち寄った本屋で平積みにされていた1巻をなんとなく手に取って買って読んでみたところ、これがビックリするくらい感銘を受けまして、翌日2巻から14巻および15巻のフィギュア付特装版を大人買いして参りました。

子供たちよ、これが大人買いだ。
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『トクサツガガガ』(丹羽庭著・小学館刊)というのはどんなお話か、以下、小学館の公式ページに記載されているあおり文を引用させて頂きます。

【隠れ「特撮オタク」OLのガハハ爆笑デイズ】
仲村さんは26才のOLさん。
職場では女子力が高いと見られているけど、
実は女死力滾る「特オタ(特撮オタク)」!

オタバレが怖くて、一人ぼっちでコソコソしながら生きてるよ。
人目につかないフィールドのカプセルトイを求めて街をさすらったり、
一人カラオケで“特ソン(特撮ソング)”歌いまくったり…
ヒーローの言葉を胸に、今日も進むよ「特オタ」道!

…やっぱり、ちょっと補足しましょうか。

主人公の仲村叶(なかむらかの)は、東京で働くOLさん。見目麗しく仕事もできるので、職場の同僚のあいだでは憧れの存在です。付き合いがあんまり良くないのでミステリアスな雰囲気まで醸し出していますが、その実彼女は、重度の「特撮オタク」なのです。

日曜朝に放映されている戦隊ヒーローものを中心に、日本の特撮を心のよすがに楽しく生きていますが、そのことを職場や母親には隠しています。食費を切り詰めて合体ロボット玩具を買う買わないで身悶えたり、食玩目当てにあちこちのコンビニまで痩せるほど自転車漕いだりする毎日。ある種ほのぼのと平和な日々ですが、時には「特撮嫌い」の母親や同僚が襲来したりして大ピンチに陥ることも。

そんな時彼女の脳裏をよぎるのは、愛してやまないヒーローたちの言葉。

彼らの言葉は子供向けに作られているぶん、シンプルでいながら真理をついており、胸に迫ります。

「好きなものがあるって幸せなことだ。」

そう優しく語りかけてくるような、読むと元気が出てくる素敵な漫画です。

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中学校の推薦図書にすべき

※「オタク」という言葉はなんとなく蔑称っぽい響きがあるので、好きではないのですが、通りがいいのは間違いないので本稿では致しかなく使わせて頂いております。

『トクサツガガガ』が描いているのは、ただの「特撮オタクの生態」だけではありません。筆者もSF・アクション・西部劇映画の大ファンで、30年来の玩具コレクターというまあ立派なオタクなわけですが、本作にはジャンルを超えて通底する「オタクVS日常」がきめ細やかに描かれていると感じます。

主人公の仲村さんが趣味を追求するうえで遭遇するドタバタは、筆者にとっても形を変えて味わったことのあるものばかりです。思い返せばスターウォーズのボトルキャップを探し回って夜な夜なコンビニを徘徊したり、高額なフィギュアの資金繰りに右往左往したり、既に購入した円盤(DVDもしくはBlue-ray)のリマスター版が後から発売されて吐きそうになったり、読んでてとても他人事とは思えません。

クスリと笑えるような話ばかりならいいのですが、人の趣味や嗜好についてともすればすぐ物申したがる風潮の昨今、オタクというものは、悪意のあるなしを問わず、周囲の無神経な態度に晒されがちです。「いい歳して」「男のくせに」「女のくせに」という言葉や視線が相手をどれだけ傷つけるか、その趣味がその人をどれだけ支えているか思いを致したことはあるか、手法を誤ると説教臭くなってしまいがちなこういった人間関係において大事な示唆を、本作は作者丹羽さんによる稀有なバランス感覚でエンターテインメントに落とし込むことに成功しています。

一時期、旦那さんが趣味で集めた大量のプラモデル(フィギュアかも)を、片付けないことに業を煮やした奥さんが黙って番組に依頼して捨てるだか売るだかしてしまい、唖然とする旦那さんをスタジオにいる出演者が笑うという、書いてるだけで怒りで目がくらみそうになるバラエティー番組が話題になりましたが、もう二度とあの旦那さんのような被害者が出ないよう、ぜひ日本語の読める全ての人類が『トクサツガガガ』をお読みいただけることを祈願しまして、拙稿を締めくくらせて頂きます。

学校の道徳の授業とか、あんな1つも覚えていないクソつまんない教科書じゃなくて、『トクサツガガガ』読めばいいのにね。

ドラマも面白いよ!

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