【NETFLIX独占配信】DCの真打ディック・グレイソンが『タイタンズ』で見参

【NETFLIX独占配信】DCの真打ディック・グレイソンが『タイタンズ』で見参

2019年はDCの年?

2019年4月公開の『アベンジャーズ:エンドゲーム』をもって一時代の終焉を迎えるマーベル・シネマティック・ユニバース。

その代わりにと言うと無用な軋轢を生みそうですが、アメコミファンの期待を背負って2019年、さらなる勇躍が期待されるのが、長年マーベルとアメリカンコミック業界を二分してきたDCの実写化プロジェクトの数々。

統計がないので、あくまで僕の印象ですが、純粋なコミックファンの割合でいうと、もともとはマーベルよりDCの方が若干多いような気がしています。こういう記事を書いているよしみで、何回かアメコミイベントの取材をさせて頂いたことがありますが、そのいずれにおいても彼らDCコミックスのファンの熱さに驚かされた記憶があります。

1、2本の実写映画がコケたくらいで彼らの忠誠が揺らぐはずもなく、あと少しのきっかけ、誰もが納得するような出来の良い実写コンテンツが数作あれば、そのファンを核として雪だるま式に一層の市民権を獲得し、今は盤石に見えるマーベルの地位にとってかわることも夢ではないでしょう。

DCの実写化企画の中核とも言えるDCEU(DCエクステンデッドユニバース※DCの映画シリーズのこと)も、2019年2月に日本公開を控える『アクアマン』の世界興収が凄いことになっていますし、昨年末(2018)の東京コミコンにおけるDCブースの盛り上がりを見ても、もはや雪玉は坂道を転がりだしているといっても過言ではありません。

そんな最中、個人的に大注目のDCドラマ『タイタンズ』が、本日(2019年1月11日)NETFLIX独占で配信を開始します。

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タイタンズとは

タイタンズというのはDCの若いヒーローたちが結集したチームの名称です。

DCのヒーローチームというと、映画が記憶に新しい「ジャスティスリーグ」が一番有名ですが、本国アメリカでは「タイタンズ」もこのジャスティスリーグに負けないほどの知名度と人気を誇ります。もともと原作コミックでは、ジャスティスリーグに所属する面々、バットマンやフラッシュ、アクアマンといったDC主要ヒーローのサイドキック(相棒)が結集してできたチームでした。ジャスティスリーグ同様、長いコミックの歴史の中で、こちらのメンバーも何回もメンバー変更を繰り返しています。

今回ドラマで描かれるタイタンズの現時点で判明しているメンバーは、ディック・グレイソン、スターファイア、レイヴン、ビーストボーイの4人。カートゥーンネットワークの人気アニメ『ティーン・タイタンズGO!』のメンバーとほぼ同じです。(サイボーグはいません)

アメコミに詳しくない方は、どのメンバーの名前も聞き覚えがないかもしれませんね。詳しいそれぞれのパーソナリティやヒーローとしての能力については実際にドラマでどう描かれるかをご覧になって確認して頂くとして、このドラマの見どころを僕なりに紹介します。

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ディック・グレイソン

このドラマ、個人的な最大の注目ポイントはですね、そりゃもうチームのリーダー、ディック・グレイソン以外にありません。

巷の評価の浮き沈みが激しいDCEUと較べて、おおむね好評な作品が多いDCドラマ作品群。これまで主役を張ってきたのはアロー、フラッシュ、スーパーガール、ブラックライトニング、ゴードン刑事、あとはレジェンドオブトゥモローというチームものもありましたが、ファンとして常々疑問だったのは、「アロー、フラッシュはともかく、もっと人気のあるキャラを題材にすればいいのに」というところでした。

そんな中、「タイタンズ」というチームの括りではありますが、ついに満を持して登場するのが、このディック・グレイソン。またの名をナイトウイング。バットマンの相棒にして初代ロビンと言えば知らない人はいないはずです。

ロビンというと80年代のドラマ、黄色いマントに緑のパンツの印象が強い方も多いかもしれませんが、コミックスでの初代ロビンは、バットマンから独り立ちして、立派に一人のヒーローとしての地位を確立。DCコミックスファンの人気投票では、必ずベスト5に入るといっていいほどの人気を得るまでに至っています。

人気の理由に優れた容姿があることはもちろんですが、バットマン(人気投票では常に1位)と比較して、同じようなオリジンストーリー(家族が悪党に殺されてしまう)を持ちながらも、「普通の青年」の感覚を失っていないディックは、より人付き合いがうまく他人の懐柔に長けているという点でバットマンと違った強みを持っています。

ヒーローとしての在り方を巡ってしばしば、バットマンと対立し、その方法論をどこか嫌悪しながらもその影響から抜け切れずに苦しむディック・グレイソンの姿に、読者は普遍的な「偉大な父とその息子」の物語を重ね、共感してきました。バットマン同様、生身のヒーローであるためその能力に限界があるところも、親近感を覚える理由かもしれません。

とにかく、そんな人気者の彼が、やっと現代版にアップデートされた姿で実写作品に登場します。予告編をみる限り、ブレントン・スウェイツ演じるディック・グレイソンは、コミックスのファンとしてかなりイメージが近い、かなりいい線いってると思います。

コミックスのファンとして、またアメコミ映画ファンとして見逃す手はないでしょう。

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青春ドラマとしての側面

そのほかの見どころとしてはですね、チームの構成員の年齢が若いので、悩んだり成長したり恋愛したりしながら、手を取り合って苦難を乗り越えていく「青春もの」としての爽やかな魅力が挙げられます。

また、タイタンズというチームの性格が、ジャスティスリーグや、言っちゃえばマーベルのアベンジャーズもそうなんですが、ヒーローとして一国一城の主が集う「寄り合い所帯」みたいなチームとは異なり、足りないところを補いあう、いわば「家族」のような結束力の強い集団ですので、チームものとしての醍醐味もタイタンズの方がより味わえるのではないかと期待しています。

当然ながら、バットマンとの関りが深いキャラクターがチームリーダーですので、そのへんの絡みもどう描かれるのか楽しみですね。

『タイタンズ』を見てテンションを上げて、心も体もホットになる。長くて寒い冬の夜にピッタリの過ごし方ではないでしょうか。(何この終わり方)

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