驚異的な生産台数
ボーイング737といえば、私にとって搭乗回数が一番多い旅客機ゆえ、最も馴染みがある機体である。
生産機数は10,000機に届きそうなほど大人気の商業用飛行機だ。
しかも工場はバックオーダーを1,000機以上も抱えているそうだ。
もう世界中の航空会社が何十年にも渡り導入し続けているから、この機体を避けて空の旅をしようと思ってもまず無理だ。
外観上の特徴
飛行機好きとして、この飛行機にはその見かけに2つの面白い特徴がある。
ひとつ目、エンジンはターボファンであるから、扇風機の羽根と同様に、空気を後方に送ったり圧縮するためのファンは真円である。
しかし、外から見ると、ナセル(エンジンカバー)の下側が平らになっていて、まんまるではない。
これはサイズの大きいエンジンを採用したため、下部が滑走路に接触しないように微妙に工夫がなされているためだ。
ふたつ目、普通旅客機は、空気抵抗を減らして燃費を良くするため、離陸すると車輪を胴体内に引き込み完全に格納するのだが、ボーイング737の場合、引き込みが終わっても車輪の外側が露出したままなのだ。
車輪は滑走することで高熱を持つことになるが、外気に直接さらすことで簡単に冷却してしまおう、という理屈だ。
空気抵抗の問題は多少残るものの、シンプル・イズ・ザ・ベスト。
ちなみに他機種の場合、車輪は完全に格納され外からは全く見えなくなる。
高熱を帯びた車輪はダクトをもって取り入れた外気を使って冷やす、というより複雑な構造になっている。
愛しき機体
ボーイング737の初フライトは1967年4月。
私が大学に入った年月日と同じである。親近感を覚える。
それ以来、半世紀超、生産が続けられて今に至っているのだが、常に新しい技術が採用されているので、外観は基本的に昔のままだが、操縦性や飛行性能は向上をしつづけているのだ。
人間もかくありたいものだ。