【夏休み特別企画1】消えたアイアンマンMk.51の謎を追え

【夏休み特別企画1】消えたアイアンマンMk.51の謎を追え

ご注意

本稿は現在(2019.8.5)劇場公開中の映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』までのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)23作品のネタバレがふんだんに含まれた内容となっております。

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読者諸兄におかれましてはご機嫌麗しく。

自称アイアンマンスーツ研究家のアクトンボーイでございます。

やぶから棒になんですが、当ブログは、トップページにあります投稿記事のアクセス数ランキングを御覧頂くとお判りの通り、定期的にアイアンマンネタを扱い、PVを嵩増しすることによりサイト自体の延命を図っております。

『エンドゲーム』でトニー・スタークがあんなことになってしまい、新たな話題の供給が止まってしまったかのように見える都合上、いよいよ私も研究対象を他のものに乗り換えないと、このブログもネットの荒波にサノス宜しく塵と消えていくのも時間の問題かと危惧しているところですが、今回は無事に一記事分くらいの書くことが見つかりましたので、例の如く「駄考察」の類ではございますが、お目汚しをさせて頂きたく存じます。

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ロストナンバーズ

過去記事においても何度か取り上げましたが、先ほど公開が終了した『アベンジャーズ:エンドゲーム(以下EG)』で問題となったアイアンマンスーツのナンバリング「飛び番」問題。

過去記事と内容が重複しますので駆け足で説明させて頂くと、MCU16作目『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)に登場したアイアンマンMark47までの47型、存在と連番がしっかり確認されていたアイアンマンスーツが、アイアンマンの次の登場作品となったMCU19作目『アベンジャーズ:インフィニティウォー(2018/以下IW)』では急にMark50が登場し、ハルクバスターMark2がMark48だとするともう1型はどこいった?と思ってたところに次作にして最終作の『EG』では欠けていたMark49を無事確認。

これで安心して眠れると思いきや、『EG』で登場するトニー・スタークの唯一の新アーマーのナンバリングはなんとMark85。

「51から84どこよ!」と世界中の同好の士が土壇場でちゃぶ台をひっくり返され、頭を抱えたというのがこの問題の概要でございます。

フェイズ3最終作にして、MCU「インフィニティサーガ」の完結となる『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に、問題解決の一縷の望みが託されましたが、映画をご覧になった方はお判りのように、ジョン・ワッツ監督は清々しいくらいにこの問題にノータッチ。この映画はトニーの遺産がテーマなので、問題を解決して、マニアをスッキリさせてあげようという心意気さえあれば、いくらでも出しようはあったハズなのにです。(まあ、大挙してる押し寄せるドローンの大群にちっさく「52」とか「65」とか書いてあったらそれはそれでガックリでしたが)

なぜアベンジャーズ最終作に登場するアイアンマンが「Mark85」と銘打たれたのか、そのナンバーの由来はこちらの記事で考察しており、おそらくは当たっていると自負していますが、あくまでそれは製作側がコミックファンを喜ばせるために仕込んだ裏設定で、何よりも優先される性格のものではないはずです。

MCUの世界において、トニーが開発したはずのアイアンマンスーツ、Mark51からMark84の34型はどこへ行ったのか。トニー亡き今、展開されるフェイズ4以降に登場する可能性はあるのか。

現時点で答えのないこれらの問いを、希望的観測を含めて考察してみました。

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Mark51では「ない」理由

筆者は『アベンジャーズEG』公開当初、新スーツのナンバー「85」ばかりに注目して、何か他の意味があるのではないか、eighty-fiveの綴りを並べ替えたりすると他の単語になったりするのではないかと、さながら暗号を解読するかの如く「85」という数字を弄り回しておりました。

当然ながらこのアプローチでは納得する答えにはたどり着けなかったわけですが、公開から時間が経ち、ちょっと冷静になって考えてみると、至極当然の別の疑問が浮かんできます。

「なぜMark85は、Mark51ではなかったのだろう?」と。

当ブログにお寄せいただいたコメントにもありましたが、エンドゲーム公開後のインタビューでルッソ監督自身が、Mark50は究極のアーマーで、進化の余地が殆どなかった為、Mark50とMark85は似ているのだという証言をしています。

 

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それならば猶更、Mark85は、ナンバリングが「51」でありさえすれば、容姿、能力的に酷似していることについての整合性もとれますし、トニーが5年間という時間を費やしても1型しか作らなかったということになってしまいますが、劇中サノスが死んでおり(ソーに首を斬られて)新たな外的脅威がひとまずいないことや、トニー自身が一線から退いてしまっていること、タイムマシンの開発に全能力をつぎ込んでいたことなど、納得できる理由はいくらでも後付けできたのです。

そうすると着目すべきは、「85」という数字ではなく、あえて使われなかった「51」の方なのではないか。

平たく言うと製作側には「51」という数字を使いたくない理由があるのではないか、という仮説にたどり着くわけです。

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51が示すもの

製作陣に「51」を使うことを躊躇わせる何かがあったのではないか、とはいっても数字の51は欧米では「13」や「666」などの忌み数でも何でもありませんし、数学的に殊更特徴のある数字でもありません。

とすると、Mark85の85という数字が、おそらくはコミック由来であることを考えれば、マーベルコミック的に「51」に他の意味があるのではないかという次の仮説が立てられます。

筆者がまず疑ったのは、無数にあるアイアンマン個人誌の号数が「51」の時に、トニー・スタークの死、あるいは復活が描かれた有名なエピソードがあるのではないかということでした。そういったものが存在するのであれば、「死」の場合は万が一のネタバレを防止するため、「復活」の場合はフェイズ4以降に使うためにあえて使わなかったという、頷ける理由となります。

ところが、筆者が確認した限り、トニー・スタークは1963年の初登場以来、4~5回ストーリーの展開上死んでしまっている(植物状態含む)のですが、その復活号含めたどの機会においても号数は「51」とは関係がなく、エピソードの番号が関係あるという仮説はここで否定されてしまいます。

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プライムアーマー

となると、アイアンマンコミックで号数以外にナンバリングされている事象はというと、自然アイアンマンスーツ自体の型番しかない、ということになります。

ご存じの方も多いと思いますが、アイアンマンのコミックでは、映画よりもさらに数多くのスーツのバリエーションが登場しており、映画のような「Mark○○」ではなく「Model-○○」という識別をされています(※ファンがナンバリングして、公式が追認している形と思われます)。

では、アイアンマン「Model-51」はどのようなアーマーかといいますと、2015年の「Invincible Iron Man Vol 3 #1」にてその全容が明らかとなった、通称「プライムアーマー」が「Model-51」に該当します。

実は、『アベンジャーズ:エンドゲーム』公開前、新アーマーの姿とナンバリングが発表される以前に、コミックファンの間では、最後のMCU版アイアンマンはこの「Model-51プライムアーマー」に違いないという噂も少なからず囁かれていたんですね。(筆者は全く別の素っ頓狂な予想を立てていましたが

この予想の根拠は、単純に『IW』に登場したブリーディングエッジアーマーのナンバリングがMark50だったから、というものでした。50の次は51、単純明快な論理ですよね。(ちなみにややこしいですがブリーディングエッジアーマーのコミックでのナンバリングはModel-37です)。

で、実際にフィギュアメーカーの香港ホットトイズらが商品発表する形でMCU最後(一応)のアイアンマン、Mark85の姿とナンバリングが明らかとなり、アメコミの有識者たちが揃って「Mark85のデザインは、コミックファンにとって最も馴染み深いModel-4が由来である。」とSNS他で発信し、筆者なども「85という数字はModel-4がコミックに初めて登場した号数からとられている。」とその説を補強するような形で乗っかり、Model-51プライムアーマーの話はどっかにいってしまったんですね。(そこらへんの経緯はこちらをどうぞ

ところがこうしてプライムアーマーを振り返ってみると、エンドゲームのMark85やIWのMark50を彷彿とさせる特徴的なマスクの形状や武装(ナノマシン構造)、スタイリッシュな外観など、プライムアーマーがMark85の元ネタと言われたらそれはそれで頷けるような気がします。いくらModel-4にカラーリングが似ているからって急にコミック由来のナンバリング「85」を出されるより、Model-51由来のMark51としてしまった方がよっぽど自然だったでしょう。コミックファンに一番馴染みがある、って結構強引な理屈ですしね。

となると、やはり製作側には恣意的に「51」を名乗らせなかった理由があると考えられます。

その理由とは何でしょうか。

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アイアンハート登場への布石

Model-51プライムアーマーには、何か特別な背景があるのか。

そこにはMCUへの参入が噂されている、一人の新ヒーロー(ヒロイン)のオリジンが密接に関わっています。

若干15歳にしてMIT(マサチューセッツ工科大学)の学生であるアフリカ系アメリカ人の少女リリ・ウィリアムズは、トニー・スタークの過去のアイアンマンスーツをリバースエンジニアリングして、設計図をオンラインで公開、新たなアイアンマンスーツをジャンクパーツから構築してしまいます。

彼女の天才を見込んだトニーは最終的にこの行為を容認しますが、設計図公開により技術的優位を失ってしまったため、全ての能力を駆使して全く新しい最強のアーマーを生みだします。それが、1つのアーマーに、これまで開発されたアーマー技術の全てを網羅した、Model-51Prime(最良の)アーマーだった、というわけです。

これがコミックでのプライムアーマー誕生の経緯ですが、注目すべきはやはり、二代目アイアンマン、アイアンハートことリリ・ウィリアムズが関わっているということ。そして彼女がマーベルヒーローになったきっかけが、トニーのアーマーをリバースエンジニアリングしたこと、という二点です。

キャラクターの生死が自在なコミックとは異なり、実写版となるMCUの世界では、ロバート・ダウニーJr演じるトニー・スタークが蘇るなんて展開はおそらく100%ないでしょう。

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フェイズ4以降のMCUの情報としてアベンジャーズが再登場することがプロデューサー、ケビン・ファイギのインタビューで判明していますが、キャップ、アイアンマン、ソーの3人が存在しないアベンジャーズがそう長く持ちこたえられるとは思えず、とはいえ上に述べた理由から、アイアンマンは代替わりを余儀なくされています。

となると、二代目アイアンマンことアイアンハートをMCUにデビューさせるにあたって、リリ・ウィリアムズが、トニー・スタークが遺したMark51以降のロストナンバーズをハッキングから探り当て、場合によっては装着して活躍するというような流れになれば、重要キャラのデビューとして、ポッと出感が薄れ、世にたくさん存在するアイアンマンのファンからしても興味深い胸熱の展開となります。34型もあれば、アイアンハート単独作3作分くらいは優に持ちこたえられるでしょうしね。

そろそろこのへんで、この「駄考察」をまとめてみましょう。

Mark51がエンドゲームに登場しなかった理由、それはトニーが遺したはずのMark51から84の存在をあえて隠してファンをヤキモキさせ、満を持して二代目アイアンマン・アイアンハートのMCU世界へのソフトランディングに使うためである。

いかがでしたでしょうか。

考えすぎじゃね?

何にも考えずに適当に番号つけたのかもよ?

いつもの如く書き終わって一切の自信がなくなってしまいましたが、駄考察も数うちゃ当たる。

また何か思いつきましたら懲りずにアップさせて頂きます。

お付き合いいただきありがとうございました。

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