【超ネタバレあり】ここが変だよエンドゲーム4・やっぱり登場したレスキューアーマーについて

【超ネタバレあり】ここが変だよエンドゲーム4・やっぱり登場したレスキューアーマーについて

ネタバレご注意

本稿は『アベンジャーズ:エンドゲーム』に大満足(6回鑑賞して気が済んだのでここらへんで止めようと思いました)の筆者が、それでも最近空を眺めたりするときに「よく考えるとちょっと辻褄合わなくね?」と思ってしまうポイントを記事にしたものです。この記事に映画自体を批判する意図は全くありません。また本稿は『アベンジャーズ:エンドゲーム』について、割とフランクにネタバレしています。本稿をお読み頂けるのであれば、当然ながら同作鑑賞後を推奨いたします。

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失われしナンバー

多くの市井の方々にはどうでもいいような小さいことでも、マニアにとっては深刻な事柄って、ジャンルを問わずよくありますよね?

本稿のみならず、当ブログでしつこく扱ってきたアイアンマンスーツ(映画版)のナンバリング問題もそのひとつです。

栄えあるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)一作目『アイアンマン』(2008)劇中で、トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)が洞窟の中で作ったMark1を皮切りに、近作『アベンジャーズ:インフィニティウォー』(2018)まで8本を数えたアイアンマン(スーツ)登場作品には、全部で49タイプ(ウォーマシンを除く)のアーマーが登場しました。ナンバリング問題が表面化したのは、その『インフィニティウォー』公開直後です。

当該作をご覧になった方ならお判りのように、この映画にはトニー・スタークが身に纏うアイアンマンスーツは1種類しか登場しません。スーツ全体がナノマシンで構築されており、トニーの意志により様々に形状を変化させることができる通称「ブリーディングエッジアーマー」。ところがこの最新鋭のアーマーに設定上与えられたナンバリングは「Mark50」でした。そう、49タイプしか登場していないはずなのに、です。

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『インフィニティウォー』の前に最後にアイアンマンスーツが登場したのは『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)。下半身の大部分にシルバーが配色されたマニアの間でも人気の高いこの作品に登場したスーツは「Mark47」です。で、次の登場作品となる『インフィニティウォー』でトニー本人が駆るのはMark50なんですが、『インフィニティーウォー』劇中、ブルース・バナーが装着する「ハルクバスター2」も、ナンバリング対象のスーツと考えるのが自然ですので、こちらが「48」ないし「49」であるとしても、やっぱり1体足りない計算になるわけです。

これまで(『エンドゲーム』まで)の慣例では、『アイアンマン3』でのアイアンレギオン(Mark9から41)の集団による描写で、本当に全部登場してるか怪しいモデルを抜きにすると、画面に一度も登場しない所謂「抜け番」スーツのようなものは一体も存在しませんでした。よってマニアの間では、「ひょっとしてトニーがピーター用に設計したアイアンスパイダースーツが、その1体なんじゃないの?」なんて言われたりもしていましたが、その見かけのみならず、主動力も他と全く異なるスパイダースーツを「アイアンマンスーツの1種」と飲み込むには大分抵抗がありました。マニアでなくとも奥歯に物が挟まったような感覚はお判り頂けるのではないでしょうか。

とはいえ、このナンバリング問題、現行アベンジャーズの最終作にして現在絶賛公開中(2019年5月)の『アベンジャーズ:エンドゲーム』にて何らか整合性のある解答が示されるのではと期待していたわけですが、表題にあります通り、「レスキュー」アーマーの登場をもって、一応の解決をみたようです

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「レスキュー」アーマーとは

『アベンジャーズ:エンドゲーム』の最終盤、サノス率いるタイタン軍との最後の決戦で、復活したメンバーを中心に戦場に駆け付けるアベンジャーズと関係者の面々。その中でも一際印象的に登場する青い女性型フォルムのアイアンマン。フェイスカバーがパカッと開くと中にはトニーの奥さんとなったペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)が。

そういや、映画序盤でトニーの娘がいたずらしてたヘッドパーツ、「お母さんのだ。」とか何とか言ってたけなあ、それにしてもペッパーっていつ操縦の練習してたんだろ、なんていささか唐突に感じなくもない登場でしたが、実は公開後の今だから言えますが、このペッパーの「レスキュー」アーマー、一部のマニアの間では『エンドゲーム』に登場することは、公開よりだいぶ前にSNSに投稿されてしまった以下のリーク画像で、なんとなく予想の範囲内であったわけです。

 

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あんまりネタバレ投稿についてアレコレ言うのも気が進みませんが、ペッパー演じるグウィネス・パルトロウがグリーンバックの前でカスタムメイドされたアイアンマンスーツらしきものを身に着けています。これだけでは何のことか判らない?いいえ、それがアメコミファンにとってはですね、「ペッパー」が「アイアンマンスーツらしいもの」を着てるとなれば、それは「レスキュー」に違いないと断定できるくらい、このアーマーは知名度が高いモデルなのです。

「レスキュー」が初めてコミックに登場したのは、今から約10年くらい前。シビルウォー(コミックの方ね)でキャプテン・アメリカが死亡してしまっている時代、グリーンゴブリンことノーマン・オズボーンが表舞台で台頭して、国防組織の実権を握り、アベンジャーズの旧メンバーらを冷遇し虐げてたんですが、その流れでトニーは、ノーマン・オズボーンから情報を守るため、自らの脳をシャットダウンして一時植物状態になってしまいます。そんな折、トニーの関係者であるペッパーも窮地に追い込まれるのですが、そんなこともあろうかと、ペッパーのためにトニーが予め用意しておいたのが、彼女専用のアイアンマンスーツ「レスキュー」だったのです。

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このスーツは、コードネーム「レスキュー」の名の通り、元々は戦闘用ではなく救助や防護を目的に設計されており、初登場時武装は装備されていなかったのですが、その後細々とモデルを重ねて、戦闘もいっぱしにこなせるようになりました。

コミックの世界では、ついこの間までトニー・スタークは死亡(現在は復活)しており、その代役として黒人少女リリ・ウィリアムズが2代目にして女性のアイアンマン「アイアンハート」として活躍していましたが、「レスキュー」はそれよりもずっと前に「初の女性アイアンマン」として、ファンに認知されていたわけです。

というわけで、登場回数の割には知られた「レスキュー」アーマーですが、本家アイアンマンと同じく赤と金で彩色されたコミック版とは異なり、映画の方では目に新しいブルーで登場。とはいえ数秒しか映らない劇中ではディテールまでは分かりませんでしたが、いつも通り、香港のホットトイズが精彩なこの映画版「レスキュー」のフィギュアを発表、展示したためその全貌が明らかになりました。

 

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本当にこれで中に人が入ってるのかと疑いたくなるような流線型の細いフォルムに、昆虫を思わせるようなスラスター。その他装備や武装について微に入り細に入り検証したいところでありますが、注目して頂きたいのは、背面のスラスターを収納している部分のパネル。ここにですね「Mk49」とナンバリングされているじゃありませんか。ホットトイズは、フィギュアを製作するにあたりマーベル・スタジオから正確な資料をもらっているはずで、情報の確度としてはほぼ間違いない出所と言えるメーカーです。

ここに至ってついに前段の「アイアンマンスーツのナンバリング問題」が解決したわけですが、そうするとトニーは、Mark50の前に「レスキュー」を開発していたことになるわけで、もしかしたら使う機会が本当に来るとは思ってなかったのかもしれませんが、サノスの指パッチンから5年、別荘でのんびり暮らしている間にアップデート的なことはしなかったのかなと新たな疑問が生じます。

またこれまでナンバリングされてきたアーマーは、一応トニー専用という前提で開発されており、他人に作ったアーマーはそのナンバリングから外されるのではと、ウォーマシンの例からそう思っていましたが、どんなスーツなんだろうと想像を膨らましてきたロストナンバーが、ペッパー専用スーツだとは、若干拍子抜けに似た気分もあります。

ちなみにコミックでの「レスキュー」のモデルナンバーは、「Mark1616」となっています。随分大きい番号ですが、これはレタリングの遊びでして、1616がアルファペットの「P」二つに見えることから、つまりPepper Potts、彼女専用のアーマー、というわけです。

こういうことです。
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新たなロストナンバー

というわけで、『エンドゲーム』を持ってMark1から50までのアイアンマンスーツは無事に全て揃ったことになったわけなんですが、別記事で触れたように、本作で新たに登場し、トニー最後のアイアンマンスーツとなったアーマーのナンバリングは、なんと「Mark85」。

トニーがあんなことになったというのに、姿形の見えないアイアンマンスーツが、なんと34型もあるはずってことになってしまったわけです。

2019年6月末に公開される『スパイダーマン:ファーフロムホーム』は時系列で、『エンドゲーム』後の世界を描いたものになるそうで、劇中アイアンマンについても多く言及されるとの報道がありますが、どうかこの件について(無理だと思いますが)何らかの手がかりが与えられることを期待して、拙稿を終わりたいと思います。

お読み頂きありがとうございました。

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