スーパーボウルトレイラーとは
2019年2月3日にアメリカ・ジョージア州アトランタのメルセデスベンツスタジアムで開催された「第53回スーパーボウル」。
スーパーボウルというのは、アメリカに2つあるアメリカン・フットボールのリーグの決勝戦、要はプロ野球でいう日本シリーズみたいなもんですが、毎年この世界最大のスポーツの祭典ともいわれるこのイベントのテレビ中継中、試合のハーフタイムなどに、注目映画の新予告編が解禁されることが、恒例となっています。
今年は『アベンジャーズ:エンドゲーム』や『スターウォーズ:エピソード9』の新予告編が期待されていましたが、どちらもフルバージョンの予告編公開はなし。『エンドゲーム』のみ、ショートバージョンの予告編が公開されました。
↓こちらがそのティーザーです。
今回の記事ではこの短い映像から本編の内容について展開を予想しています。ネタバレにアレルギーをお持ちの方は、こんなタイトルの記事を読んでいないとは思いますが、ご注意ください。
荒廃したアメリカ
映像が始まったと同時に、パカパカパカっとインフィニティーウォーで塵になってしまったヒーローたちのフラッシュバック(ロケットも映ってますが)。続いて霧むせぶニューヨークのマンハッタン島。自由の女神の周りには、何処からか避難してきたと思われる船の群れが難民シェルターの様相を呈しています。予告編第一弾のときも思ったのですが、サノスの指パッチン後、地球温暖化が急速に進んでしまっているようです。
大写しになるスタジアムはニューヨーク・メッツの本拠地シティ・フィールド。スタジアムの周りにあるたくさんの自動車はひっくり返ったり重なりあったり、混乱の爪痕を色濃く残しています。続いて映し出される「遺族カウンセリング」的なフライヤーと併せると、サノスの指パッチンからかなり時間が経過していることが伺えます。筆者の私見では数カ月単位の月日が経っているのではないかと予想します。
また、ちょっと思い出して頂きたいのは先日公開された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の予告編第一弾。あちらもニューヨークが舞台ですが、おそらくは『エンドゲーム』より時系列は後なのに、このような大混乱の影響を全く感じさせない街の様子が映っていました。
『エンドゲーム』と『ファー・フロム・ホーム』の間に完全に混乱の影響が消えるであろう数年単位の時間が流れている可能性は、ピーター達の学校生活(学年)からいって考えにくく、これはつまり、「世界を作り直す」もしくは「時間を巻き戻して指パッチンをなかったことにする」のいずれかが『エンドゲーム』劇中にて行われる可能性が高いということです。
ロケットがいるのはどこか
続いてトニー・スタークとネビュラが一緒に何かを作るか直すかしてたり、アベンジャーズ基地の敷地でキャップとローディーとナターシャとバナーが何かを見上げてたりした後に、ロケットがどこか小屋のような場所の扉を開けて入って来るところが映ります(映像開始より16秒くらい)。先に公開された予告編ではローディーと同じく登場しなかったロケット。この場面で彼がいるところは、アベンジャーズの基地でも、宇宙でもない、地球の海辺のようなところです。これはいったいどこでしょう。
ここからは推論の上に推論を重ねる筆者得意の駄予想となります。
映像のプレイヤーをロケット登場画面で一時停止して、注目して頂きたいのはロケットの背後に映りこんだカゴのような物体。岸辺に放置されているところからして、海に関係した品物と推測できますが、私見ではロブスター漁やカニ漁で使うカゴに非常に似ていると思います。そしてそのいずれかであっても共通していることは、「北の冷たい海」でよく行われている漁だということです。
ここで思い出して頂きたいのは『マイティ・ソー:バトルロイヤル』(2017)でソーの父親オーディンが消えてしまった場所。そう、スウェーデンの海べりのどこか。北欧諸国の漁業では、ロブスター漁が盛んにおこなわれています。このようなカゴが海べりに転がっていても不思議はありません。お察しの通り、筆者は「ロケットは、オーディンが消えた場所の近くにいる」と言いたいわけですが、ではなぜ彼はそんな場所にいるのでしょうか。
またまた思い出して頂きたい、『アベンジャーズ:インフィニティーウォー』冒頭、アスガルドの民を満載した宇宙船は、サノス率いるタイタンの軍勢に襲われてしまっていました。『インフィニティーウォー』劇中では詳しくは語られませんでしたが、同作のルッソ監督によるとアスガルドの民の半分はサノスに見逃されて、宇宙船で逃げ延びることができたようです。おそらくはヴァルキリー(テッサ・トンプソン)に率いられている彼らはいったいどこに向かったのでしょうか。
戻るべき故郷アスガルドはもう存在しない、となれば当初の目的通り地球に向かうと考えるのが自然でしょう。ヴァルキリーが戦いもしないまま、みすみす死ぬと判っているソーやハルクと別れることを承諾するとは思えず、きっとソーは彼女に地球で「落ち合う場所」を伝えていたはずです。
それがオーディンの最期の場所。アスガルドの民の新たな安住の地として、北欧の地をソーが選んでいたとしても全く不自然さはないはず。すっかり仲良くなったロケットが、とりあえず北欧に向かうソーと一緒に行動していたら辻褄は合うはずです。
この推論にはもう一つだけ論拠がありまして、公開済みの『エンドゲーム』予告編第一弾で、ソーが登場するシーン。室内で地球の普段着を身に付けたソーが物思いに沈んでいるように見える場面で、ソーの吐く息が白いんですね。(下の映像の1分21秒くらいのところ)
人類の半分が消えてしまったせいで、送電網が打撃を受け、暖房設備が機能していないという見方もできますが、電気は使えているようですし、他のキャラクターが寒がっている様子はありません。ソーは単純に寒い地域にいると考えるべきでしょう。
ホークアイの髪型
続いてナターシャが基地で射撃訓練をしていたり、ローディーとアントマンが戦闘態勢になったりする場面が続きます。玩具コレクターとしては、ウォーマシンのスーツがマーク4からアップデートされていない感じなので、ホットトイズを買いなおさなくてすみそうで安心なのと、それはそれでガッカリなのと半々です。
ソーが緑が多い土地に到着したっぽいところ(ぼんやりした話しかできなくてすいません)の後に、新コスチューム、新髪型でお目見えするのはホークアイ(ジェレミー・レナー)。宇宙の全生命体にとって大変な事態が進行しているというのに、貴方は新しい髪型を攻撃的にバッチリ決め込む余裕がよくあるな、という印象はともかくとして、この場面のホークアイは、隠遁生活中のローニンバージョンではなく、ちゃんと紫のホークアイコスチュームに身を包んでいるようです。
そして全アベンジャーズファンが待ちに待った、キャップがシールドを装着したっぽいカットの後、地球で生き残っているアベンジャーズ全員、順番にキャプテン・アメリカ、ソー、ナターシャ、ロケット、アントマン、ローディー、バナー(?)が一列に行進しているカットで映像は終了。この場面はだいぶ眉唾もので、現在は映像加工技術によって撮影された映像から、人物を消したり出したりは自由自在ですので、このメンバーだけで、どこか戦いに赴くというわけではないような気がします。
いかがでしたでしょうか。読み取るものなど何もなさそうな短い映像から、むりくり屁理屈をこねてみました。こういった予想は公開前の今だからこそ楽しめるもの。公開まで残り3カ月弱。お祭りの集大成に乗り遅れないよう引き続き続報を固唾を飲んで見守りたいと思います。