【日本語地図つくりました】年末年始はNETFLIX『ウィッチャー』の世界にどっぷり浸ろう

【日本語地図つくりました】年末年始はNETFLIX『ウィッチャー』の世界にどっぷり浸ろう

皆様お久しぶりです。

ご多聞に漏れず、筆者の本業が毎年年末にかきいれ時を迎えるためこちらのブログの更新をすっかり怠っておりましたが、2018年秋のプレスリリース以来、関連書籍を読み漁り準備万端で待ち構えていたドラマがついに今週末(2019.12.18執筆)配信スタートとなりますので、やる気を奮い起こして今これをしたためているわけでございます。

そのドラマとは、NETFLIXオリジナル『ウィッチャー(原題:Witcher)』です(万雷の歓声と拍手)。

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NETFLIX『ウィッチャー』とは

TVゲームをする人ならば『ウィッチャー』と言えば、2015年に世界中のゲーム賞を総なめにしたPS4/Xbox One/PC用ゲームソフト「ウィッチャー3:ワイルドハント」が記憶に新しいと思いますが、元々『ウィッチャー』はポーランドの小説家アンドレイ・サプコフスキによる連作ファンタジー小説で、本国ポーランドでは既に映画化(2001)もドラマ化(2002)もされているくらい国民的人気を誇るコンテンツなんですね。

とはいえしばらくの間、その人気はポーランド国内に限定されたものでしたが、2007年、同じポーランドに籍を置くゲーム会社CD Projektが、初の自社オリジナルタイトルとしてこの小説を原作にしたコンシュマー用ゲームソフト『The Witcher』を発売。徐々にウィッチャーの世界観は国外にも伝播し、2015年に発売された「ウィッチャー3:ワイルドハント」の大ヒット(総出荷数1,000万本以上)をもって、世界中の好事家の知るところとなったというわけです。

このゲーム版ウィッチャーについてもいつか特集記事を書いてみたいと思っていますが、この度満を持して配信がスタートするNETFLIX版のドラマは、ゲームよりも原作小説を下敷きにして製作されているとのことですので、それを踏まえてご紹介します。

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どんなストーリーなの?

ウィッチャーの物語はごく簡単に言うと、壮年の魔法剣士ゲラルトと、その養女シリを主人公とするヒロイックファンタジーです。

公式には「ウィッチャー」は古代スラブ神話が基となっているとされていますが、描かれる文化風俗や冶金技術、登場する兵器などを鑑みると、私見では14~15世紀ごろの中世西ヨーロッパ、百年戦争あたりの時代がモチーフとみて間違いなさそうです。そこに魔法や魔物、エルフやドワーフなどの異種族を加えた所謂ハイファンタジーと呼ばれる世界観で展開される物語です。

中世ヨーロッパをモデルにしたハイファンタジーというと、トールキンの指輪物語や、ジョージ・R・R・マーティンの「氷と炎の歌」シリーズなどがすぐに思い出され、特に後者を原作としたドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」が記憶に新しいところですが、念のため書いておくとサプコフスキの「ウィッチャー」は1986年にシリーズが開始されていますので、1996年発表の氷と炎の歌第1部「七王国の玉座」よりも10年先輩にあたります。

日本では2010年にハヤカワ文庫から「魔法剣士ゲラルト/エルフの血脈」が出版されましたが、当時はあまり話題にならず続刊の刊行が途絶えていました。それが2015年ゲームのヒットを受けて再開、2017年から2019年にかけてトントン拍子に第2部から第5部(完結)まで邦訳版が刊行され、現在全て書店で新刊で手に入れることができます。ドラマで興味を持ったファンにとっては非常に「入りやすい」環境が整っているというわけですね。

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さて肝心の物語についてですが、あまり事細かに説明してドラマ鑑賞の楽しみを阻害してしまっては元も子もないのであくまで予備知識の範疇で説明しますと、

まずタイトルとなっている「ウィッチャー」というのは、主人公「リヴィアのゲラルト」の職業(存在?)の名前です。日本でいうと「忍者」みたいな感じですかね。このウィッチャーは、人間離れした身体能力と剣の技術、そして初歩の魔法を使いこなし、魔物専門の賞金稼ぎを生業としているのですが、誰でもなれるというものでもなく、小さいときから想像を絶するような厳しい訓練を積み、良い感じに育ったところで霊薬で体を変異(草の試練)させて人為的に人間以外のものへと変化したミュータントなんですね。

曰く、生身の人間では対抗できない魔物へ抗うため、昔の人間が知恵と犠牲を重ねた集積がウィッチャーなわけですが、その強力な力ゆえにどこの勢力にも肩入れしない「中立」を集団の信条としており、また変異の際に得た容貌の異様さ(瞳が爬虫類のよう)から、市井の民からは畏れられており迫害の対象になったりもしたので、その生き残りの数はもう両手の指で数えられるほどとなってしまっています。リヴィアのゲラルトは、その中でも最も優秀なウィッチャーとして名を馳せており、その強さと髪の色から「白狼」と綽名されています。

物語の主な舞台となっている「北方諸国」は、昔から大中小の王国が乱立し危ういながらも均衡を保っていた地方なのですが、そこへ南から強大な軍事力を持った「ニルフガード帝国」が突然侵略してきます。北方諸国の中で最も南に位置していたシントラという国が、この侵略の第一波で滅亡してしまうのですが、その時のシントラの女王キャランセとゲラルトは魔物退治の絡みで信頼関係があったため、女王が命を賭けて逃がした孫娘シリをゲラルトは養女として引きとることになってしまいます。戸惑いながら、それでも大切にシリを養育するゲラルト。シリも自らに起こった不幸な過去を乗り越え、駆けだしウィッチャーとして健やかに成長します。

ところがこのシリには、世界のあり様を一変させてしまいかねないほどの魔力がその身中に秘められており、そのことを知った各勢力が躍起になって「シリ争奪戦」を繰り広げるわけです。

世界中を敵に回し、頼れる仲間はほんの僅か。果たしてゲラルトはシリを守り切ることができるのか?ってな感じが大まかなストーリーで、予告編を見る限りこのプロットが使われていくことがほぼ間違いないと思います。

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いかがでしたでしょうか?

小説版に忠実に作られているならば、多種多様な登場人物の他に、架空の地名が台詞の中で飛び交うことはほぼ間違いないと思いますので、何となくの位置関係が判るように、北方諸国地図の日本語版もつくってみました。是非お役立てください。

 

ウィッチャーの世界のほんのさわりの部分、イントロダクションとしても駆け足の内容となってしまいましたが、年末年始、どこにも旅行へ行く予定はないよって方、あるいは長時間の移動を控えている方、筆者と一緒にウィッチャーの「北方諸国」への旅へ出かけませんか?

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