初めましての方も、そうでない方もごきげんよう。
おもむろにスタートしてみたこのシリーズ。日頃暇さえあれば「おもちゃ屋さん巡り」、いやおもちゃ屋さん「漁り」を趣味にしている身ながら、そういえば当ブログに「玩具風味」が少ないと感じたのと、ちゃんと調べないと書けないコラムの他にもっと気軽にUPできる題材が欲しいなと、2つの動機からはじめることにしました。当シリーズでは徒然なるままに、筆者が実際に購入した「おもちゃ」を、題材となっているコンテンツを軽く取り上げながら、宝探し日記風にゆるく紹介させて頂きます。巷の諸先輩方が手がける所謂商品レビューとは趣向を変えまして、「手に入れた方法」や「欲しいと思った理由」を、一切盛ったりすることなく主題にしていく所存です。ドキュメンタリーなのでオチがご用意できないエピソードが大半ですが何卒宜しくお願い致します。
また、当シリーズでは主に筆者の経済事情から、3万円を超えるような高額なコレクターアイテムは殆ど登場致しません。不甲斐なくて申し訳ない。「子供に買えない価格のものはオモチャじゃない!」なんてことを記事の中で悔しさから口走ることもあるかもしれませんが、それらは決して筆者の本意ではなく、やむにやまれぬ事情から来るということを予めご承知おきくださいませ。
シリーズ初回ということで改めまして、筆者のトイコレクターとしての属性をざっと開示しておきます。
コレクター歴はおよそ20年。子供のころからオモチャ好きな少年でしたが、自らの偏愛をハッキリ意識したのは大学生の頃。偶々読んだファッション誌に掲載されていたメディコムトイのミリタリーフィギュアに心を奪われ、なけなしのバイト代をはたいて購入してみたり、SWエピソード1のブームの際にペプシのボトルキャップを集めるため、徹夜で自転車で区内のコンビ二を巡ったりしたあたりからです。主な守備範囲はスターウォーズ、MARVEL、DC、トランスフォーマー、ハリウッド映画全般、邦画はゴジラシリーズをストライクゾーンとして、主にアクションフィギュアを収集しております。生息地は上野。コレクターにとっての優良な狩猟場である秋葉原も縄張りです。
さて、引っ張るほどの中身じゃないので前置きはこのくらいにして、#1をはじめさせて頂きます。以下文体を変えますが、当面の間手探り状態ということでお察しください。
小江戸・川越に初上陸
2020年2月某日。快晴。ちょっとした仕事で生まれて初めてカワゴエを訪れた。
仕事というのは、依頼人(子供)をギルドのメンバー(部活の友達)が待つ地(東武東上線新河岸駅)まで警護がてら道案内するというものだったが、道中こともなくすぐに依頼完了となり、手持ち無沙汰となった俺は、初めて訪れたこのカワゴエを探索してみることにした。
依頼には乗り合いシャトル(電車)を使った為、ひとまず探索の為の足を確保することにする。携帯端末で調べてみると、首都の中心地とは異なりこの地では孫一族(ソフトバンク)の経営するレンタルスピーダー(ハロー・サイクリング)ネットワークが網羅されている。23区ではこの事業は、元国営企業(NTTdocomo)が牛耳っている印象があるが、さすがは孫一族。外堀からジワジワと占拠率を高め、いずれシェアを奪うつもりなのだろう。
駅前で一台借り出した。自前のスピーダー(自転車)とは比べるべくもないが、燃料(充電)も満タン、整備も良く行き届いていて不満はない。さっそく街の中心地へ向かう。
かつてはサカイ家をはじめとする名高い領主たちによって治められてきたこの地は、その名残を色濃く残す城下町として観光客にも人気が高い。街のシンボル「アワーベル(時の鐘)」周辺は、最近の惑星全体を巻き込んだ疫病騒ぎにも関わらず大変な人出だ。
空腹を感じたので、この地の名物ロースト・イール(鰻の蒲焼)を食すべく、この地に住む戦友(中学の同級生)に行きつけのダイナーを尋ねたのだが、ヤツが勧めた店(いちのや本店)に行ってみると、店内で50人以上の客が空席待ちをしている。ここに俺が一人でポツンと並ぶだと?閉口してすぐ店を出て、近くにあった小さなダイナーに入ってみる。建物は古いが鄙びた感じの良い店(小川藤/おがとう)で、念願のロースト・イール(鰻重・竹3300円)も美味かった。
腹が膨れたので早速探索を開始する。カワゴエは大規模な都市なので、俺が掘り出し物を求める鉱山(ホビーショップ)も駅前を中心に複数点在している。スピーダーを駆ってそれらの鉱山(らしんばん・アニメイト・ヴィレッジヴァンガード)を近い順から巡ってみたが、目ぼしいものはなかった。元々期待薄(探すジャンルが違うという意味です)だったが、連続の空振りに徒労を覚え、早々にホームへの帰還を考える。一息入れがてら、ふとレーダー(Google Map)を見ると、中心地から少し離れた場所にもう一つ、大きな鉱山の反応が出ている。
天候も良いし、まだ太陽も高いところにあったので気を取り直し、そこへ向かう。カワゴエの街並みは趣深いが、車両と道行く人の距離が近い。カワゴエのメインストリート「ウェアハウス・ストリート(蔵づくりの街並み)」から「パスポート・クロッシング(札の辻)」という交差点を通過し、そのまま通り沿いに400メートルほど進むと目指す鉱山が左手に現われた。鉱山の名は「ホビーオフ川越神明町店」だ。
ホビーオフ川越神明町店
中は、同系列の鉱山でも都心ではあまり見かけないほど広い。俺が目指す鉱床は上部(2階)のようだ。
上部も広く、鉱床(商品棚)もバラエティに富んでいる。しかし、誇るわけではないがこういった稼業(オモチャ集め)のキャリアも20年を超えると、鉱床を見回しただけで、自分が求めている類の掘り出し物が存在するかどうかはなんとなく判ってしまう。おそらく前面に出てる鉱床(ガラス張りのショーケース)の内容や値付けで無意識に判断しているのだが、残念ながらここも空振りが濃厚だ。だが折角来たのだからと店内、じゃなかった鉱山内を見て回ることにする。
案の定、たくさんある鉱床で俺の守備範囲に該当するのは、エリアの片隅のここだけ。アメコミ映画全盛の時代なんて言われているが、玩具に目を向ければ実情はこんなものだ。鉱山内(店内)で珍しいものでいうと、広い部分ををライフルやブラスター(ハンドガン)、防具などの装備が大量に陳列されており、ものものしい雰囲気を放っていた。
さてはカワゴエでは星間マフィア同士の抗争でも起こっているのかと訝りそうになったが、よく考えるとカワゴエの位置するサイタマpref.は、模擬弾を使用した戦闘遊戯(サバイバルゲーム)が非常に盛んな地だ。アメコミよりもモデルガン、この地方ならではのお国柄というやつなのかもしれない。
滅多に来ることのない地から、全くの手ぶらで帰るのも癪なので、先ほどの鉱床(アメコミ棚)に戻りつぶさに見ていくと、スターウォーズの未開封カードフィギュアが十数体、一律200円(税抜)で陳列されている。中には、先の大戦時の反乱軍勝利の立役者ナイン・ナンの姿もある。俺はカードフィギュア自体、あまり集めてはいないのだが、昨年公開された『エピソード9:スカイウォーカーの夜明け』で雑に殺されただけでなく、こんなアメコミ不毛の地(筆者の見解です)の鉱山の片隅で、ナンのような名パイロットが埃を被っているのを放置するのは忍びなかったため、彼をはじめ旧三部作の関係者を5体連れて帰ることにした。5体まとめて税込1,100円。定価なら1体も買えないような破格だが、嬉しさよりも寂しさが勝った。
スピーダーの前キャリア(かご)に、収穫を載せ古都を疾走した。観光客たちから奇異な目で見られたが致し方ない。携帯端末を見ると、朝の依頼人からピックアップ要請が入っている。今日の探索はこれまでのようだ。再度依頼をこなしてアジトに戻り、さっそく今日手に入れた彼らを仲間と共に並べてみる。200円だと、開封するのに一切気がとがめることがない。懐かしい面々と再会し、心なしか彼らも嬉しそうに見えた。
めでたしめでたし。
今回手に入れたモノ
ハズブロ社 スターウォーズ ベーシックフィギュア
Power of the Force 発売年1995~1998年 カードフィギュアの中でも最も売れた為、中古市場でも値崩れを起こしている。
NIEN NAN
PONDA BABA
WEEQUAY SKIFF GUARD
SAELT-MARAE
DENGAR 計5体 200円(税抜)×5
and甥っ子のお土産に商品名不明のポケモン・ルギア(ルーズ品)220円(税抜)