ご注意
本稿はDisney+オリジナルドラマ『マンダロリアン』のChapter.8“贖罪(REDEMPTION)”までのシーズン1、完全ネタバレ記事となっております。未見の方は閲覧をご注意ください。
Disney+オリジナルドラマ『マンダロリアン』シーズン1がついに終わってしまいました。
今秋にアメリカで配信開始が予定されているシーズン2まで、一体何を楽しみに生きていけばいいというのか。
通して見ればしっちゃかめっちゃかだった新三部作によって、大きく傷ついてしまったスターウォーズというコンテンツへの忠誠心を完全に取り戻すキッカケとなったこのドラマシリーズ(個人の見解です)、ショーランナーのジョン・ファブロー、デイヴ・フィローニ、各チャプターの監督ほか製作陣には感謝の気持ちで一杯です。
願わくばTOYコレクターとして、もうちょいたくさん、かつスピーディーに関連玩具を展開して欲しいという願望はありますが、それも恐らく時間の問題。ここ1ヵ月半(筆者が観始めたのが年明けから)程度、毎日その週に配信されたチャプターを観てから寝るという行を続けていたため、通算で7周くらいはしているシーズン1ですが、2月14日(金)に配信開始した最終話、Chapter.8“贖罪(REDEMPTION)”がこれまた大団円にふさわしいシーズンベストといっていいような素晴らしい出来でして、これは軽く10周はしてしまうなと、幸せな余韻に浸りつつ本稿をしたためております。
物語としては一応の決着をみたChapter.8、アマゾンプライムのTHE BOYSみたいな次のシーズンへの巨大なクリフハンガーがなくて本当に良かった(THE BOYSもとても面白いですが)と胸をなで下ろしているところですが、『マンダロリアン』もまた多くはないですがシーズン2への伏線を残してはいるので、本稿では筆者が現時点で気付くことができたそのポイントをご紹介したいと思います。
まさかのデス・ウォッチ登場
シーズン1の各エピソードで何度か登場する、主人公マンダロリアンの少年時代のフラッシュバック。故郷の街をドロイド軍に襲われ、恐らくは両親と共に逃げている主人公。激しい攻撃に次々に倒れていく民衆。やがて逃げ切れないと悟った両親は、主人公を地下倉庫に隠し、上開きの扉を閉じます。刹那轟音が響き渡り、隠れている主人公にも伝わってくる衝撃。語られませんが両親の安否は絶望的です。扉は開かれ姿を現し、銃口を主人公に向ける禍々しい戦闘ドロイド。
と、チャプター7までは、マンドーのフラッシュバックはここまででしたが、最終話ではこの続きが描かれます。
死を覚悟した主人公(少年時代)でしたが、別方向からの不意討ちに破壊されるドロイド。逆光の中現われたのはマンダロアの武装を身に付けた一人の戦士。彼は主人公に手を差し伸べると、次々に駆け付けドロイドたちと戦いを繰り広げる仲間たちの援護をえて、戦場から離脱。主人公の救出に成功します。
登場シーンからして痺れるほどカッコいい回想シーンの中のこのマンダロリアン達、チャプター3にて主人公の救援に登場するマンダロリアン達のように多種多様なコスチュームではなく、なんとなく統一感のある青くカラーリングされたアーマーを揃って身に付けているので「まさか」と思ってみているとついに、主人公を抱くマンダロリアンのアーマーの、ポードロン(肩アーマー)にあるシンボルが画面に映り、彼らが何者であるかが判然とします。そのシンボルはヴィズラ氏族の紋章。彼らがアニメシリーズのクローンウォーズに登場した、原理主義的な戦士集団「デス・ウォッチ」であることを示すものでした。
彼らがクローンウォーズで描かれたように、過激思想を持つ集団であるかどうかは判りませんが、アニメ発の具体的な要素が、ついに実写に登場した瞬間でありました。拙稿の考察記事2で、重装歩兵マンダロリアンがヴィズラ家の人という噂ありということをご紹介しましたが、主人公がデス・ウォッチに命を救われたという伏線が今後どのように展開されるのか、どう転んでも面白くなりそうなので楽しみです。
チャプター5の謎の影
身の回りの親しい人間に『マンダロリアン』を観ている人間がいませんので、もしかすると筆者の勘違いや見落としかもしれないのですが、惑星タトゥイーンの再登場で大変な話題となったチャプター5”ガンファイター(GUNSLINGER)”で、エピソードの最終盤、トロ・カリカンによって殺害され、そのままデューン・シーに放置されたフェネック・シャンの遺体の下に、正体不明の謎の影が佇んでいるシーンがありました。
すわ新たな刺客の登場か、と思いきやこの伏線はシーズン1で回収されることはついにありませんでしたので、この謎は次のシーズン以降に持ち越しとなります。覚えておくといいことあるかもしれません。
モフ・ギデオンの武器
TIEファイターVSフル装備のマンダロリアンという、大変熱いマッチアップで筆者の血を煮えたぎらせたチャプター8のクライマックスバトル。
翼部を破壊され墜落したTIEファイター、当然乗っていたシーズン1の大ボス、モフ・ギデオンもめでたくその命を散らしたかと思いきや、残骸に群がりパーツ獲りにキャッキャウフフしてるジャワ族の前で、コックピット部の壁を斬り破り、5体満足で再登場するモフ・ギデオン。その手には、黒い刃の光り輝く剣が握られていました。
アニメシリーズをご覧になってない方にとっては、何のこっちゃのこのシーンですが、彼が持っている剣はまごうことなきライトセイバーのひとつ。過去に一人だけ存在したというマンダロリアンのジェダイ、ター・ヴィズラが生みだした「ダークセイバー」という名の黒いライトセイバーです。これもまた前述したデス・ウォッチ同様、クローンウォーズ発の要素ですが、ダークセイバーは本来マンダロリアンのリーダーが持つべき素性の宝剣。それをなぜこの帝国の将官が持っているのか。そして何より、なぜ彼は仮にもジェダイやシスの武器であるライトセイバーを扱えるのか、過去にハン・ソロやフィンといったフォースを扱えない人間もライトセイバーを起動させているので、ただ使うだけならば普通の人間にもできるのかもしれませんが、持ち歩いているということは、モフ・ギデオンにこの武器を使いこなすことができる、あるいは使いこなす意思があるとみるのが自然です。
そもそも彼こそがベイビーヨーダこと「The Child」を追い回している当の人物であることと合わせると、モフ・ギデオンは、パルパティーン亡き後に登場した「新たなシス」である可能性がかなり濃厚と考えられます。
正直TIEファイターから出てきたときは、「まだ生きてんのかよ、このおっさん。」とちょっとゲンナリしそうになりましたが、彼自身がシスなら話は別です。
駆け足で紹介してしまいましたが、以上が筆者が把握しているシーズン2以降に持ち越しとなるであろう重要要素 です。
ひとつ言えるのは、間もなく配信開始されるとみられるクローンウォーズのシーズン7、ドラマでも言及された「マンダロア包囲戦」がメインに描かれるというこのアニメの重要性が非常に高くなったということです。クローンウォーズは追っていないという方は、実写と密接にリンクし始めていることが明らかなので急いで追った方が良いかもしれません。
『マンダロリアン』については、追って気付いた順に考察記事をUPしていきたいと思っておりますので、皆様、秋まで超長いですがボンクラ予想を並べて一緒に耐え凌ぎましょう。
といったところで拙稿はここまで。
This is the way.