通常の化学エンジンに比べて加速に時間を要するが、効率が抜群に良い。
静止衛星の軌道修正、惑星間飛行に向いている。
はやぶさ2にも搭載されている。
イオンエンジンの推進剤にはイオン化しやすいキセノン(Xenon,Xe原子番号54)が用いられる。
原理はこうだ。キセノンは電子をぶつけられると陽イオン化し、負電極に向かって加速する。この時ロケットは反作用により逆方向に進むことが出来る。負電極はグリッドになっているので陽イオンのほとんどは通過する。通過した陽イオンが再び機体に戻らないよう、電子を当てて中和し外部に出す。
イオンとは何か。電荷を帯びた原子、つまり陽子と電子の数が等しくない原子のことをイオン(Ion)という。語源はギリシャ語で「移動」という意味だ。電子が多いものは陰イオン、少ないものは陽イオン。
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身近な例では、食塩水の中は、Na+プラスCl-とイオン化している。
ちなみに、巷にマイナスイオンという言葉があるが、森林、滝つぼにはマイナスイオンが満ちていて体に良いなんてことを語る人もいる。テレビなんぞでも使われていてさぞちゃんとした言葉なんだろうと思ってしまうが、実は和製英語であり、科学の世界では使われていない。
(イラスト・文: YOGI age71)