【シラットの達人】もっと知りたい!インドネシアの至宝イコ・ウワイスについて

【シラットの達人】もっと知りたい!インドネシアの至宝イコ・ウワイスについて

『マイル22』はおススメです

アクション映画フリークの皆様ごきげんよう。

現在(2019年2月上旬)絶賛公開中の映画、ピーター・バーグ監督、マーク・ウォルバーグ主演の『マイル22』はもうご覧になりましたか?

この作品については、日米双方の大手映画レビューサイトにおいて、その評価が全くもって思わしくありませんが、なかなかどうして、アクション映画としての完成度はかなりのもの。思うに、本作に与えられた低評価は主にちょっと凝り過ぎた感のあるストーリーに対してのものであって、アクションを主として鑑賞するならば、何の問題もない、筆者的には大好物といっていい類の楽しい映画です。

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何よりの見どころとして、本作には重要な役どころでインドネシアが誇るアクション俳優イコ・ウワイスがキャスティングされています。

イコ・ウワイスはインドネシア映画『ザ・レイド』(2011)で一躍その名を挙げたプンチャック・シラット(シラットについて知りたい方はこちらをどうぞ)の達人。ムエタイの遣い手タイのトニー・ジャーと共に、ブルース・リー、ジャッキー・チェンの系譜を継ぐ格闘アクターとして知られています。

 

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イコ・ウワイス×ハリウッド映画というと、2015年の『スターウォーズエピソード7:フォースの覚醒』でのラズー・クィン・フィー役、「何しに出てきたんだ君は?」という意味不明な使われ方がすぐ思い出されますが、ご安心ください。『マイル22』では、その鬱憤を晴らすかのように、イコさんは得意のシラットを駆使して大暴れ。映画のタッチ的に「ちょっと尺が長いんじゃないかな?」と心配になるくらいの活躍を見せてくれています。

筆者的には、イコ・ウワイスが元気に敵をやっつけてる、というだけで劇場に足を運ぶ価値があると思ってしまいますが、そんなインドネシアの至宝イコ・ウワイス、彼のパーソナリティーについて日本語で書かれているページが、近年の活躍に対して非常に少ない気がしますので、以下軽くまとめてみました。

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イコ・ウワイスのパーソナリティー

イコ・ウワイスはインドネシア・ジャカルタ生まれの36歳(2019年時点)。

彼の祖父 H. Achmad Bunawarが、ジャカルタでシラットの道場を持っているマスターだったので、イコも10歳のころから訓練を開始、祖父の手ほどきで格闘技の英才教育を受けます。長じてインドネシア代表チームに召集されるほどの腕前に成長したイコ。ナショナルチームの一員としてイギリスやフランスなどの世界各国へシラットを伝えるツアーに参加したこともあるそうです。20代前半はシラットの腕を磨きながら、電気通信系の企業でセールスドライバーの仕事をしていました。

転機が訪れたのは2007年。ギャレス・エヴァンスとの出会いからでした。祖父の道場で、シラットを題材にしたドキュメンタリー映画を撮影していたエヴァンスが、イコの俳優としてのカメラ映えの良さに気付き、彼を主人公にした格闘映画を創ることを決意。イコ・ウワイスの初出演作品となった『ザ・タイガーキッド/旅立ちの鉄拳』(2009)は、釜山ファンタスティック映画祭やテキサス州オースティンで開催されているファンタスティックフェストといった世界各国の国際映画祭で好評を博しました。盟友ヤヤン・ルヒアンとの出会いもこの映画からです。

※ちなみにこのギャレス・エヴァンス監督ですが、彼のSNSを覗いているとしょっちゅう日本のコンテンツについて話題にしており、Amazonプライムの「ドキュメンタル2」を紹介したり、映画『カメラを止めるな!』を絶賛していたり、大杉連さんの訃報に追悼コメントを寄せたりしています。彼が日本産エンターテインメントに関心を寄せていることは間違いなく、慧眼を持っているエヴァンス監督がいつの日か日本の格闘家をフックアップしてすごいアクション映画を作ってくれることを切に願っています。

 

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Immigration in Haneda airport is badass. #Golgo13

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閑話休題、イコ・ウワイスの代表作にしてアクション映画史に燦然と輝く『ザ・レイド』(2011)はギャレス・エヴァンスとのコンビ二作目にあたります。

その年のアクション映画ファンの話題を独占し、「インドネシアにシラットとイコ・ウワイスあり」を強烈に印象付けた『ザ・レイド』。以降、『ザ・レイドGOKUDO』(2014)、『ヘッドショット』(2016)、『スカイライン-奪還-』(2017)、NETFLIX『シャドー・オブ・ナイト』(2018)、そして『マイル22』と続く活躍は皆さんよくご存じの通りです。

イコの趣味は映画鑑賞。最も好きな映画はジャッキー・チェン主演監督の『サンダーアーム/龍兄虎弟』(1986)で、ジャッキーは彼のアイドルです。映画以外の娯楽は、シラットのトレーニングで、親友ヤヤン・ルヒアンらと道場で一日に3~5時間くらい汗を流すんだとか。サッカーも仲間とチームをつくってよくプレイしてるみたいですね。音楽を聴いて体を動かすことも好きで、お気に入りのミュージシャンはエジプト人歌手のアムル・ディアブさんだそうです。

好きな食べ物はチキン・フライド・ライス。基本的に好き嫌いはなく何でもよく食べるそうですが、唯一クルプックというインドネシア伝統のお菓子(エビせんべい)が、大嫌いみたいです。見かけのせいですかね?

 

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プライベートでは、2012年同じインドネシア人の歌手Audy Itemさんと結婚。2人の娘を持つ父親として、本人曰く「いたって普通」の幸せな生活を送っています。

 

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2004-2019 ❤️ #blessed #alhamdulillah #mashaallahtabarakallah

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楽しみな次作

キレキレのアクションと、飾らない人柄が魅力のイコ・ウワイスですが、現在(2019年初頭)世界中のアクションファンがワクワクテカテカしながら公開を心待ちにしている映画の撮影中です。

その映画というのがこちら。

トニー・ジャー、タイガー・チェンとのトリプル主演、ジェシー・V・ジョンソン監督の『トリプル・スリート(邦題未定)』。アジア版エクスペンダブルズとの呼び声高い期待作。予告編を見て頂ければ言葉はいらないはず。2019年公開予定です。

前段で挙げたNETFLIX『シャドー・オブ・ナイト』もスルーしてる人多いと思いますが、超面白いので是非見てくださいね!

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