【G1ファン感涙】実写化映画のまさに理想型『バンブルビー』レビュー

【G1ファン感涙】実写化映画のまさに理想型『バンブルビー』レビュー

※物語の核心に迫るようなネタバレはありませんが、おおまかな内容については言及しています。

必見!デストロン軍の雄姿

飛び交う激しい̠砲火の中、ロケット発射塔を駆けあがるコンボイ(オプティマス・プライム)とB-127

そこへ、黒煙に染まる空を切り裂き轟音と共に来襲するジェットロン3人衆

B-127が飛び立った刹那、スタースクリーム(多分)が放ったミサイルが塔の支柱に命中。

崩壊する塔。トレードマークの雄叫びをあげながら、空中でジェットロンのうちの一人を捕まえ地上に落下するコンボイ。

群がり来る敵を蹴散らす彼の前に立ちふさがるのは、デストロン(ディセプティコン)の首領メガトロンが最も信頼を寄せる部下サウンドウェーブ

胸から放つカセットロンのジャガー。怯むコンボイ。レーザーウェーブほか集結するデストロン主力たち。コンボイ絶体絶命。

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映画冒頭で繰り広げられるサイバートロン星での、サイバトロン(オートボット)対デストロン(ディセプティコン)のバトル。

5分間にも満たないような短いシーケンスですが、トランスフォーマーを長年応援してきたファン、特にジェネレーション1と呼ばれる初代アニメシリーズのファンは、このシーンで矢継ぎ早に投入されるコンボイを始めとするトランスフォーマー達のデザインや、そのアクション演出から、「この映画はベイのと違う!」「俺のための映画やんけ!」という期待と喜びが入り混じった、今までにない興奮やそれに伴う過呼吸に襲われたことでしょう。お察し申し上げます。

トランスフォーマー実写化の最高到達点

2007年の第一作『トランスフォーマー』以降、2017年の『最後の騎士王』まで、マイケル・ベイ監督のもと都合5本製作されてきたトランスフォーマー実写映画。

世界中にファンの裾野を広げ、人によっては映画以上に重視される玩具展開に拍車をかけ続けてきたという上記シリーズの功績は、誰にも否定しうるものではありませんが、突拍子もないストーリーや、原作アニメやコミックにほとんど準拠しない有機的なキャラクターデザインは、トランスフォーマーのオールドファンをして「嬉しいんだけど、いつも何かちょっと違うのよね。」という印象を持つ人が多かったであろうこともまた事実(個人の見解です)。

無駄にこれまでの映画をクサすつもりはないのですが、スターウォーズや機動戦士ガンダム同様、トランスフォーマーもまた「ファーストの呪縛」が強いコンテンツであり、新旧アニメシリーズのファンが支持層の中核であるにも関わらず、あまりにそれらの色が薄いことから、「実写化作品」としては原作ファンのフラストレーションが溜まるシリーズという一面があったわけです。

映画『バンブルビー』は、そんなファンの溜飲を下げ、またこのコンテンツならではと言える変形玩具ファンのツボを押さえ、なおかつ映画シリーズからのファンをおざなりにしないバランスで、昨今巷で量産される「アニメ・コミックの実写化」作品として、観客の誰もが満足しうる理想形とも言うべき素晴らしい着地を見せています。

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ジュヴナイル映画としても完璧

さすがはあの傑作『KUBO』を撮ったトラヴィス・ナイト監督と言いましょうか。

トランスフォーマー映画に課せられる最大のポイント、「変形するメカが、とにかくカッコよくなくてはいけない。」を完璧にクリアしているという点だけでなく、1980年代のアメリカという本作の時代背景にマッチさせるための、美術・音楽両面の徹底したディテールの作りこみは、ジャンルを超えて前作『KUBO』にも通じる老練な安定感を感じました。これらは当然コンテンツに対する深い理解と愛情、そして気が遠くなるほどの綿密な下調べがなければ成し得ないことです。

ストーリーは、例えるなら「やや激しめのE.T.」といった風情の言っちゃえば王道的展開ですが、主要登場人物の感情の流れを丹念にそして自然に描き、トランスフォーマー達との異文化交流物語に、主人公の少女らの成長を重ね合わせることで、爽やかでいて温かい余韻を残す、一本のジュブナイル映画として鑑賞しても傑作と言い切れる映画です。言っても詮無いことかもしれませんが、こんな離れ業をやってのけたトラヴィス・ナイト監督のもとで、シリーズ全体がリブートされることを願ってやみません。

とにかく最高、その一言に尽きます。ちょっと興味はあるけれど、今までの映画が合わなくて鑑賞を躊躇している方がもしいたら、本作は大丈夫なので劇場にすぐ向かってください。

総評:99点※現時点(2019.04.01)今年ベスト(-1点はクリフの扱いのせい)

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