【ここが変だよエンドゲーム延長戦】Dr.ストレンジに教えたかった1400万分の1の別の未来

【ここが変だよエンドゲーム延長戦】Dr.ストレンジに教えたかった1400万分の1の別の未来

ネタバレご注意

本稿は『アベンジャーズ:エンドゲーム』に感動した筆者が、それでもアベンジャーズが終わってしまうという現実を受け止めきれずに、ネタ的駄文を書き連ねたものです。映画自体を批判する意図は全くありません。また、本稿は『アベンジャーズ:エンドゲーム』について、これでもかってくらいネタバレしています。本稿をお読み頂けるのであれば、当然ながら本編鑑賞後を推奨いたします。

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以前の記事でもう『アベンジャーズ:エンドゲーム』にツッコミを入れるのは終わりにすると書いた気がしますが、最近(2019年8月19日)アメリカの映画情報サイトWIREDが公開したインタビュー動画で、ルッソ兄弟が『インフィニティウォー』の際のDr.ストレンジの行動、「1400万605通りの未来を体験し、その中のたった一つの勝機を見出す」までの経緯について解説しており、曰くストレンジは、それぞれのルートでいちいち死亡の一歩手前まで行くことにより失敗と判断して次の可能性を見に行くというのを1400万回以上繰り返したので超大変だった、みたいなことを仰っていたんですが、そういえばこの件、Dr.ストレンジが見てきたという1400万分の1の可能性について、筆者はあまり納得できていなかった、ということを思い出したので、ソフトがもうすぐ発売(2019年9月4日)になるこのタイミングで、もう1記事書いてしまうことにしました。

上段の注意書きにも記しましたが、あくまでネタ記事でございますので、ファンの方、特にDr.ストレンジ推しの読者の方、どうかキルモンガーに夕陽を見せてあげたテイチャラみたいな優しい心で、不愉快な表現等ありましてもお読み飛ばし頂けますようお願い申し上げます。

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戦術がなってない

文句を言いたいのは、『アベンジャーズ:エンドゲーム』のクライマックス、サノス率いるタイタン軍VSアベンジャーズ連合軍の総力戦についてです。

仲間たちが倒れ、頼りの盾も砕け、たった1人になったキャップの前に立ちふさがるサノス軍。観客が絶望しかけたその時、駆けつけてくる蘇ったアベンジャーズの面々。戦場の各所に開くスリングリングのゲート。ワカンダ軍やアスガルドの生き残りの戦士たちの姿も見えます。向かい合う両軍。数の上ではほぼ互角。キャップの号令の下開かれる戦端、劇中最も熱いクライマックスシーンです。

ここで思い出して頂きたいのは、大多数のアベンジャーズを戦場へ運んだのは、Dr.ストレンジとウォンを始めとするスリングリング(空間移動魔法)が使えるカマー・タージの仲間たちだということです。つまり、あの戦場には、他人を任意の場所へ瞬間移動させられる人間が複数いるということになります。さらに、Dr.ストレンジ自身は指パッチンで5年間消えてしまっていましたから、復活後急いでカマー・タージの仲間たちに作戦を伝えたということにもなります。戦いの最中、「これが君の見た勝機なのか?」と尋ねるトニーに、「話してしまうと(その未来は)実現しない。」と告げるストレンジ。しかし、それはストレンジの作戦上鍵となるトニーに対してだけであって、他人に何をすべきか話してはいけないという意味ではなかったようです。

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ここでこの戦いにおける、劇中提示されたアベンジャーズの勝利条件を整理しておきます。

1. サノスを倒す

2. ガントレットを破壊、もしくはサノスの手が届かないところへ移動させる

1.が達成されれば勝利は確定。2.だけだと、場合によってはアベンジャーズが全滅し、人類が危機に陥る可能性が残ります。よって、この戦いの戦術を組みたてる際は、結局サノス1人を倒す算段を優先して立てるべきで、ガントレットはそれまで時間稼ぎに遠ざけておけばいいということになります。

あれですね、いくら全能に近い能力を持つストレンジ先生と言えど、若いうちは医者になるべくお勉強ばっかりしていて、スポーツ、それも球技などの集団スポーツなんかは殆どやってこなかったんじゃないでしょうか。たくさんの人物が入り乱れて戦うあの戦場においては、上記した瞬間移動の術と、メジャー球技の戦術知識さえ少しあれば、勝率が高い作戦は他にもあったように思います。次項からは、実際に劇中起こったことを基に、その際に試してほしかった作戦を3つほど挙げていきます。

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ワンダによるアイソレーション・オフェンス

まずは筆者イチオシの作戦から参りましょう。アイソレーション・オフェンスとは、バスケットボールなどで用いられる、優秀なエースが1対1で戦える環境を周囲が故意に作り出す作戦のことです。(詳しくはスラムダンク2回目の陵南戦を読むといいよ!)

本編をご覧になった方の中には、筆者と同じことを考えた方も少なからずいるのではと予想しますが、あの戦いの最中、サノスが完全に力負けして、邪魔さえ入らなければそのまま倒せていたのではないかという場面が一度だけありました。そう、ワンダ・マキシモフとサノスの1on1の場面です。『インフィニティウォー』の際にも、片手でインフィニティーストーンを破壊しながら、片手でサノスの妨害をするという離れ業をやってのけていましたが、さすがアベンジャーズ最強の呼び声高い紅き魔女。『エンドゲーム』においては、サノスの動きを完全に封じ、空中に吊り上げて、パワーで粉々にしてしまおうとしていましたよね。体の自由を奪われにっちもさっちもいかなくなったサノスが、苦し紛れに友軍を巻き込む爆撃を命じ、その衝撃で束縛は解かれてしまいましたが、あと数秒、ワンダの攻撃が続いていたらどうなっていたでしょう。

もうお判りですね?あの場面、ワンダがサノスの動きを封じたら、近くにいる魔法使いがそのまま2人を砂漠かなんかにテレポートさせてしまえば、あとはワンダがサノス爆破を完遂するまで水入らず、上記した条件1が訳なく達成できたのではないでしょうか。何しろストレンジは、ここまでの成り行きを一度見てるわけですから、弟子の数人に「おまえらワンダから離れんなよ、であいつがサノス持ち上げて『ぬあああっ』てなったところで、良き所に飛ばせ。」って言っておくだけで良かったはずなのです。

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キャロル・ダンバースによるブリッツ

ワンダのアイソレーション(隔離作戦)が失敗したとしても、ストレンジが打てた手はまだあります。

アメリカン・フットボールにブリッツという作戦がありますが、これはゲームがスタートするや否やディフェンスラインが相手のQB(司令塔)に殺到してタックルを仕掛けるスピード命の作戦のことです。絶大なパワーを誇るサノスですが、キャプテン・マーベルの光速タックルは有効で、劇中でもまともに喰らって吹っ飛ばされてる描写があります。

いやいや、ストレンジ先生。あそこ大チャンスでしたよ?

タイミング的に先生自身は津波を止めるのに手いっぱいだったでしょうから、あらかじめウォンとか弟子とかに「おまえら、あのへんスタンバっとけ。」と言い含めておいて、2人が飛んで来たらやっぱりスリングリング発動。行先はもちろん宇宙空間。キャロルにとっては宇宙なんか、そこらへん歩いてるのと変わりませんが、タイタン人であるところのサノスはいかがでしょう。『インフィニティウォー』でのエボニー・マウ死亡の例を見ると、さすがのサノスも無事には済まないはずです。ワンダと違って、キャロルは地上ではサノスと1対1だと分が悪いのかもしれませんが、とにかく道連れに宇宙へ連れてっちゃえば、後は煮るなり焼くなりどうとでもなったでしょう。

考えてみれば本当にキャロルのナイスアシストをただ決めるだけのごっつぁんゴール。ストレンジ先生はQ・B・KならぬQ・T・K(急にサノスが来たので)と誹りを受けても仕方がないと思います。

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4次元のランルートを描け

アメフトの例を出しましたのでついでに言うと、そもそもあの戦い、アベンジャーズ側から見れば、インフィニティガントレットをアントマンが待ち受けるタイムマシンの所まで運ぶという、フットボールの体を成していました。

上に挙げた勝利条件2、「インフィニティガントレットをサノスの手が届かないところへ」が達成されたとしても、本当の意味で勝てたかどうかは不明ですが、それにしたってですね、みんなボール(ガントレット)を持って目的地まで一直線に進みすぎです。あれではランで進もうにも、パスを通そうにも敵にターゲットが丸わかり。案の定ゴールそのもの(アントマンのワゴン車)を破壊されて失敗に終わってしまいます。ランルートというものはもっと緻密に、相手の虚をつくよう構築すべきものです。

あの場面、空を飛べるメンバーがあんなにいるのに(ファルコン、キャプテン・マーベル、ヴァルキリー)何故猪突猛進してしまったのか。もっとこう上空高く飛んで見失わせておいて、目的地に急降下するヘイルメリーパスの様なルートは描けなかったものか。もっと言うなら、スリングリングがあるんだから、走り出すスパイダーマンに「ちょっと待ってもらえる?」と声かけて、ワゴンまでゲート通せばよかっただけの話じゃないでしょうか。いや、もうそもそもサノス見つけたら背後にソー&ストームブレイカーを送り込んで、後頭部バチコーンってやっちゃえば…。

何度も言いますが、他のメンバーはまだしもストレンジ先生は見てるわけです、様々な形の失敗を。だからもっと色んなアドバイスができたはずなんです。そうしなかったってことは、ガントレットを遠ざけることに成功しても、タイタン軍VSアベンジャーズは、1400万回戦って一度も勝てなかったということなんでしょうか。ソーもいるし、キャプテン・マーベルもいるし、守るものがなくなったワンダもいる。それはちょっと苦しい感じがしますよね。

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いかがでしたでしょうか。

我が心のアイアンマンを犠牲にする作戦を採用しただけでなく、何となく「1400万回も敗北を疑似体験して、すっごく大変でしたね、ストレンジ先生お疲れ様です。」という世論が形成されつつあるので、ちょっとした義憤にかられて駄文を書き連ねて参りました。(ストレンジのファンの皆様冗談ですよ、念のため)

最後の一つだけは無理くりひねりだしましたが、ワンダとキャプテン・マーベルのやつは、なかば本気で「いや有効だったろ。」と思っております。なぜこんな成功確実、素人の筆者でも思いつくような作戦が1400万通りの中に入らなかったのか不思議です。一説にはアントマンが量子世界から帰って来る際に、ネズミが偶然スイッチを押す確率が低かったためとも言われていますが、それならもうちょっと頑張って5000万通りくらい見てきてくれれば、あの場で誰も死なずにすむ作戦がみつかったのではと悔やまれてなりません。

『アベンジャーズ:エンドゲーム』ならぬ『アベンジャーズ:ナイスゲーム』が観たかった。

そんな叶わぬ願いを込めまして、この駄稿をおしまいにしたいと思います。お付き合いいただきありがとうございました。

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