【第2回】あなたにもきっと出来る!図解「マッスル・インフェルノ」のやり方

【第2回】あなたにもきっと出来る!図解「マッスル・インフェルノ」のやり方

読者の皆様ごきげんよう。やぶから棒になんですが、こんなマイナーブログの、こんなタイトルの記事を読んでいるなんて、貴方も筆者同様ちょっとどうかしていますね。いや、いい意味で。

恐い人に怒られるのが嫌だし、絵を一杯描くのが面倒なのでシリーズ化するつもりは全くなかったのですが、以前掲載した『あなたにもきっと出来る!図解「完璧マッスルスパーク」のやり方』という記事が地味に好評でして。まさか本気で試したりしてる人いないだろな!と戦々恐々としつつも、2匹目のドジョウを狙うっていうと聞こえが悪いですが、当ブログも外部サーバー料金を支払って運営している都合上、やはりある程度のアクセス数は必要というわけでして。

まあそんなどうでもいい事情は置いといて、今回はマッスルスパークと同じキン肉族三大奥義のひとつ、「マッスル・インフェルノ」のやり方を解説してみたいと思います。

このマッスル・インフェルノ、前述の通りキン肉族三大奥義の一つであり、運命の5王子の一角キン肉マン・ゼブラの持ち技としてファンの間では非常に有名な技なのですが、フィニッシュに至る体勢の「楽しげな様子」や、奥義なのにこの技を食らってKOされた超人が未だにいないという「殺傷能力の低さ」から、主にネタ技として広く認知されております。※状況がよく飲み込めないという方でもピクシブ百科事典などで検索をかけて頂ければ、この技のいじられ具合等がよくおわかり頂けると思います。

この状況は、後進の超人に平和を託す意味で3大奥義のヒントを残したシルバーマンもさぞ浮かばれないだろうと老婆心ながら憂慮するわけでして、そもそもこの「マッスル・インフェルノ」もまた、王位継承戦当時のマッスルスパーク同様、発展の途上にあり、多くの術者が継続して真摯にこの技の習得に取り組んでこそ、読者の誰もまだ目にしたことのない真の完成形に近付くはずですので、本稿をお読みの駆け出し超人の皆様におかれましては、今は亡きシルバーマンの雄姿を思い出してふざけた気持ちは封印し、是非フンドシを締め直して取り組んで頂きたい、そう願うばかりです。

何やら湿っぽくなってしまいましたが、前置きはこのくらいにして、How to 「マッスル・インフェルノ」いってみましょう!

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はじめに 壁を確かめる

この技に挑もうという勇気ある術者におかれては、実際に技に入る遥か前から、技の成否は環境によって既に決していると心得てほしい。他の多くの必殺技とは異なり、「マッスル・インフェルノ」は激しく場所を選ぶ技である。現状フィニッシュとされている形態を鑑みれば明らかなとおり、「マッスル・インフェルノ」には「いい感じの高さの壁」がどうしても必要である。超人プロレスリングは多くの場合、戦いが突発的に開始されるため、リングが屋外に設置されることも少なくないが、最低5メートルほどの高さの壁、ないしはそれに準じた壁面の平滑性が高い構造物の有無をしっかり確認すること。四方ふきっさらしの状況でこの技に入ってしまった場合、非常に悲しい結果に陥ることは必至である。何は無くとも「壁」の確認!ゆめゆめお忘れなきよう。

ステップ1. トップロープ上を素早く飛び回る

壁の具合が整っているとして、このステップより実際の技の手順に入る。まず、相対する敵をリングの中央に立たせたまま、リングを囲む四辺のトップロープ上を反動を利用して高速で飛び回ろう。ポイントは2つ。

1つめはトップロープの反発力を最大限に使って体の移動速度を加速させること。体のバネを目いっぱい用いてボルテージを高めて臨むと成功しやすい。

2つめは進行方向、右回りでも左回りでも構わないが必ず一方向に向かって周回すること。隣り合ったロープに移動することは、平行するロープに飛ぶよりも難易度が高いが、ロープと接触する足の角度の感覚を早く身につけて、スムーズに移動できるようになろう。

2つのポイントを満たすと、相手が立つリングをすっぽり覆う形で急激に温められた渦状の空気が充満する。小学校の理科で教わる通り、急速に温められた空気は、中央付近で激しい上昇気流を生む。おわかりだろうか?この状況を生み出すことが、このステップの目的であって、このセットアップはパイレーツオブカリビアン的な、未開地の原住民が捕まえた外国人を前に焚火の周りでグルグルやる儀式的なものでは決してないのである。

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ステップ2. 相手と共に上空へ

リング上に激しい上昇気流が生まれれば、相手は普通に立っているのも困難な状況となる。理論上はこのステップで相手に見舞う「浮かせ技」は、ニーアタックでも昇竜拳でも構わないわけだが、上級者はステップ3への繋ぎを鑑みて「ハイアングル・ドロップキック」を選ぶ者が多い。当ブログでもドロップキックをお勧めする。動作の少なさは技の美しさに直結する。リングの中心付近へ吸い込むような空気の流れが技の威力を自動的に高め、かつ2人分の肉体を優に上空へ運んでくれる。狙いさえ誤らなければ、図のような姿勢で飛び立てるはずだ。比較的容易なセクションではある。

ステップ3. 背中にライドオン

相手が浮かせ技の衝撃で一時的に戦闘不能に陥っている間に、上空で相手と位置を入れ替え、相手の背中に立つ。卓越した空中感覚が必要だが、どうしてもうまくいかない者は、地上で走り高跳びの練習を入念に行うと良い。相手をバーに見立て、ベリーロールによって飛び越えるイメージだ。相手の背中側に回ったら、利き足は相手の腰部側、逆足は相手の肩甲骨付近にスタンスをとる。

素人目に「浮かせ技」のドロップキックを相手の正面に放っているため、そのまま相手の腹側に立った方がスムーズと思えただろうが、これは滑空がアタックポイントに向けて下降から水平飛行となった際に、高度を維持するための「揚力」を十分に確保するためにも、相手の体はうつぶせ状態になっていなければならないのである。

難易度の高いステップとなるが、プライベートでサーフィンやロバの曲乗り等のレジャーに親しむ術者ほど、習得は早い傾向にあるようだ。総じて言えるのは、この技をマスターするにはプロレスの練習をしているだけでは難しい、ということになる。

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ステップ4. しっかりした滑空姿勢をつくる

相手の背中にライドオンできたら、あとはフィニッシュに向けて滑空するのみ。しかし、この滑空こそが技の威力に直結するステップのため、速度を殺さない安定した滑空姿勢が肝要となる。ただ、このステップもまた、地上でトレーニングすることが容易である。45度くらいの傾斜の坂道でスケートボードに乗り減速せず滑り降りたり、スキー場の上級コースで直滑降の練習をしたり、いずれも良い練習となるだろう。

一点、このステップにおいて注意しなければならないのは、相手の背中に四肢とは独立して動かすことのできるアタッチメント(羽根や複数の腕など)がある場合、術者は被術者の背中に立っているだけなので容易に姿勢を崩されてしまう恐れがある。こういった相手に対しては、長らくこの技を決めることは不可能とされていたのだが、前述のキン肉マンゼブラが、このような相手に対しての対処法を編みだした為、禁じ手ではなくなった。下記するので目を通されたし。

ステップ4-1. 真・マッスル・インフェルノへの派生

結果論から言えば、懸案の殺傷能力が向上しなかった為、この技の最終型ではないかもしれないが、上記のような相手の「崩し」を防ぐため考案されたのがキン肉マンゼブラの「真・マッスル・インフェルノ」である。ステップ3までは通常のインフェルノと同じだが、「真」ではステップ4以降、相手の両足をクロスして左腕でクラッチ(グーフィースタンスの場合)、相手の右肩を自分の右脚でクラッチしてフィニッシュに向かう。こうすることで相手が予想外の崩しを入れてきても、容易に技が解除されることはない。

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ステップ5. フィニッシュで逆噴射

安定した水平飛行体勢をとり、相手の頭部を壁に叩きつけたらフィニッシュ! ・・・ところが事はそう簡単にはいかない。このステップ5は最後にして最も難易度の高いステップとなっている。

想像してみて欲しい、摩擦の少ない床で、平らな台車の上に、台車と変わらない重量の荷物を固定せずに置いて、台車を高速で壁に激突させればどうなるか。

そう、「慣性の法則」によって、上に乗った荷物も同じ速度で壁に叩きつけられて、少なくないダメージを負ってしまうだろう。キン肉マンの世界では、前記事で取り扱ったように、ちょくちょく我々が住む現実世界とは物理法則の面で相違が見かけられるのだが、この「慣性の法則」についてはそもそもこれがないとプロレス技のほぼ全てが成立しなくなってしまうため、ちゃんと存在していると思われる。

相手と自らを固定するキン肉マンゼブラの「真」ならばともかく、ではこれまでの術者は、通常のマッスル・インフェルノをどうフィニッシュさせてきたか。どうして彼らは壁に叩きつけられなかったのか。答えはひとつ。

相手の頭部が壁に接触する刹那、相手と自らの体重掛けることの直滑降の加速度以上のパワーで、相手の背中を蹴って進行方向後ろ向きに飛んでいるのだ。重力加速度的に4Gを優に超える状況下で、それを振り切り、しかもろくな足場もないまま逆方向に飛ぶのは容易ではないが、ここにこそ「マッスル・インフェルノ」が並の超人には習得が困難な奥義たる所以がある。是非何度も練習して感覚を自らのものとしてほしいという他ない前述した「真」の場合は、この最後の踏み切りが発生しないため、相手に与えるダメージは通常版と比較してやや少ない傾向にあるといっていいかもしれない。最後の瞬間、相手を壁に蹴りこむイメージで臨むと成功しやすいだろう。

いかがだったろうか?

当然ながらこの記事も前記事と同様、原作者であるゆでたまご先生やプロレス技の専門家の監修は一切受けていないし、この記事を参考にして技の再現を試み、何か事故が起こってしまったとしても、ネタ記事を鵜呑みにした自分を責めるべきで、こちらにクレームを入れても当方「へのつっぱりはいらんですよ。」の一言で逃げ切る所存である。是非自己責任の範疇でこの技に取り組んで頂き、いつの日か市井の読者超人がこの技を真に完成されることを願ってやまない。

ところでこのシリーズ、次はどの技を扱おうか難儀している。スパーク、インフェルノときたのでキン肉族3大奥義最後のひとつ、マッスル・リベンジャーが順当なところであろうが、なんというかこの技、前の2つと比較して色んな意味で「弱い」気がするのだ。リベンジャーを差し置いて、「この技のかけ方を教えて欲しい」という要望がもしあれば、遠慮なくコメント欄にてリクエストしてほしい。全てに応じられるわけではないが、面白そう、じゃなくて世界平和的に有意義だと判断したら取り扱わせて頂く。

といったあたりでこのへんで、拙稿もケツをまくりたいと思います。お読みいただきありがとうございました。

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