【次は大阪開催】写真たっぷり!ドロヘドロ原画展~林田球の世界~を観てきたよ

【次は大阪開催】写真たっぷり!ドロヘドロ原画展~林田球の世界~を観てきたよ
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はじめに

先日、東京・渋谷の西武Movida館で開催されていた『ドロヘドロ原画展~林田球の世界~』に行ってきました。

ご存じない方に簡単に説明すると、「ドロヘドロ」というのは2000年から2018年の長期にわたって「月刊IKKI」他複数の月刊誌で連載されていた漫画(既刊23巻完結)で、サイバーパンクとホラーと魔法ファンタジーをミックスしたような独特の世界観と、主人公の出自を巡るサスペンスフルな物語と、そして何より林田球先生による「濃密」という他ない魅力溢れるアートワークで、連載が終了した現在もカルト的な人気を誇る作品です。

御多分に漏れず、筆者も林田球先生のアートワークの大ファンでして、古参ファンのふりして(実際はコミックス7巻くらいから)知ってることを書き連ねますが、林田先生は国立東京藝術大学油画専攻のご出身、1977年生まれの女性です。デジタル描画が主流となった漫画界において、未だにアシスタントをつけることなく、殆ど手作業で下書きからペン入れ、カラーページは筆による彩色を行うスタイルで、そのこだわりから生まれるアートの鬼気迫る迫力は誌面を通して滲み出てくるかのようです。非常に陳腐な表現になってしまいますが、林田先生の絵には、筆者が思う「カッコいい要素」が詰め込まれている気がしています。

そんなわけで筆者にとっては林田先生の原画の鑑賞は長年の悲願であったわけです。それがついにアニメ放映スタート(東京MXほか)を契機にして原画展実現の運びとなり、開催アナウンスがあってから楽しみにしていたのですが、会期を大幅に読み間違えて危うく見逃しそうになりまして。

というのも、会期である「2020年2月22日から3月1日まで」というのをフライヤー等で確かに目にしてはいたはずなのですが、日程のこう月を跨いでる感じと、美術館などで開催される企画展などのイメージから「2月22日から一カ月くらいやってる。」と何故か思い込んでしまい、2月も末日になって物販はどんなのがあんのかなあと公式サイトを覗いたときに「あれ?終了まであと3日間しかなくね?」と椅子から転げ落ちそうになり、その日の仕事帰りに慌てて馳せ参じたわけでございます。

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ドロヘドロ原画展~林田球の世界~

そんなわけで、本稿を投稿する頃にはもう終了してしまっている展示ではございますが、次回は大阪で開催されるという情報もございますので、ご参考までにお付き合いください。以下写真中心のレポートとなります。

開場は東京・渋谷の西武movida館。公園通りの坂の麓付近、近年は無印良品によってそのフロアの殆どを占拠されているビルです。ちなみにmovidaつーのはスペイン語で「動き」という意味ですが、おそらく1960年代フランコ政権に反抗した若者たちのカウンターカルチャー運動“La movida”あたりが由来と思われます。

えっちらおっちらエスカレーターを6階まで登っていくと、カイマンのスタンディ(立て看板)がお出迎え。

入場料は一般900円。入場券と、特典としてランダムな絵柄のポストカードが貰えます。

公式サイトより

筆者が貰った図柄は上段一番左のピンクのやつ。この件は後述しますがほんとこんなこと言いたくありませんが、ちょっとハズレ引いたかなと思いました。

写真が接写の上、手振れが激しいですが、会場内の通路が狭く、来場者も多かったため満足な撮影ポジションが取れなかったためです。決して筆者の腕が悪いわけではないと何卒ご承知おきください。

林田先生描きおろしのウェルカムイラスト。スケッチブックから破り取ったような紙の端が、即興で用意してくれたような先生の気前の良さが感じ取れます。言い忘れましたが会場内は一部を除いて撮影可でした。

原画展示はコミックスの年代順に並んでいました。個人的に初期のマグマが溢れ出しているような荒々しい絵が特に好きです。

展示の大きな見どころとして、原画に添えられた林田先生自身による製作にまつわるコメントがあります。

こんな感じとか。

ニカイドウの魔法の箱はロケランだったんですね。林田先生はキャラクターを創る時しばしば、ホットトイズやスリーゼロの1/6スケールフィギュアを組み替えて原案にしたりするそうです。筆者と同い年で趣味も同じ、これはもう運命という他ありませんな先生!(何がだ)

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林田先生の10年前くらいのインタビュー記事で、画材は厚手の漫画原稿用紙にペン入れまで終えたものを、画用紙にコピーして、アクリル絵具で彩色していると読んだことがあります。テクスチャ感を出すために、瞬間接着剤を原稿に垂らしたり、異素材をそのまま貼り付けたりといったおよそ他の漫画家さんがやらないような手法も取っているそうです。美大出身という経歴が、従来の漫画創作手法の垣根を取り払っているのでしょうね。

そういえば林田先生の創作に欠かせない要素として、創作ノートならぬ「スケッチブック」の存在があります。(展示にも内容を撮影したものがあったのですが、つい見入ってしまって写真撮るのを忘れてしまいました。)18年におよぶ連載で、19冊にもなったというアイデアの卵を詰め込んだスケッチブック。ちょっと話が逸れるようですが、現在好評連載中の山口つばさ先生の「ブルーピリオド」という人気漫画、こちらは林田先生が通った東京藝大油絵専攻を受験する主人公の物語なんですが、劇中において美術教師に一枚の絵を描くのに1冊のスクラップブックを作れと指導され、以降大作に取り組む際にはスクラップブックをまず創る様子が描かれており、「あ、林田先生と同じことしてる。」と。この作品を読んでから、ドロヘドロ原画展に行くとより味わい深いものがあると感じました。

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展示の最後の方には、新連載の「大ダーク」の原画展示もございました。死者の魂を骨付き肉にしてむしゃむしゃ食べる死ま田・デス(一番右)に、能井を感じてほっこりしてるのは筆者だけではないはずです。

展示の紹介は以上ですが、こういった企画展に欠かせないのは物販グッズ。ちょっと苦言を申し上げると、約10日間という会期、発行部数3万くらいの月刊誌連載という枠では予想が難しかったとは思うのですが、筆者の訪問した7日目時点、二度目最後の週末を控えているのにちょっと売り切れ品が多かったような気がします。関連イベントの先着特典も個数200だったとか。18年連載してて、さらにNETFLIXでアニメ配信してるんですよ?200なわけないじゃないですか。日本を代表する漫画家の原画展なのに会場も小さめだし、もっと新国立美術館とかデカい箱でドカーンとやってほしかったです。そしたら5回は行ったと思います。

これが筆者が当日手に入れたたもの。左上からランダムポストカード、クリアファイル、グラニフコラボTシャツと購入特典ステッカー(別店舗)、ランダムアクリルスタンド、そして何となくタイムリーなのでマスクポーチ心先輩バージョンです。おい、お前、古参ファン気取ってるくせに図録(スケッチブック4,500円)買ってねえのかよ、と尤もなご指摘もあろうかと存じますが、売り切れていたのですよ(涙)。複製原画の購入も考えましたが、つい最近発売された林田先生のドロヘドロ原画集「MUD AND SLUDGE」を買ったばかりで金欠でして、こちらも泣く泣く諦めた次第でございます。スリーゼロのアニメ版心が発売されたら今度こそ買うのでご勘弁頂きたい。

問題はこれ。中身がランダムなアクリルスタンド税込900円。運試しのつもりで1つだけ買いましたが、鳥太とかサーティーンとか出たら最悪だぜおい。どうか単独でも成立するキャラクター出てくれ!ギョーザ男でいいから!

↓結果

恵比寿とキクラゲが出ました。わーい。何かポストカードおもっくそハズレが来たと思ってたけど、背景にピッタリじゃね?

てなわけで、次回開催が完全に同じ内容かは判りませんが、行きたくても行けなかった方や、大阪で待ち構えている方のご参考になれば。

今回の原画展でわかったこと。

その1.企画展は早めに行け。

その2.先着特典欲しければ初日行け。

その3. 林田先生はサービス精神多め

数年後「大ダーク原画展」が東京で開催されるか…それはまだ混沌の中。

それがドロヘドロ!

おあとが宜しいようで。

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