国力というものは自動車にあらわれるらしい。
1950年代のアメリカは文字通り世界一の国であった。
ダントツの一位であった。
当時、アメリカの広い一般家庭には、冷蔵庫、カラーテレビ、自動車の一台や二台は当たり前にあった。
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自動車もフルボディサイズが標準。デザインも斬新。
特にシボレーのインパラ1959年モデルは図抜けて奇抜であった。
車体後方のヒレが飛行機を思わせた。
一方の日本はまだまだ貧しく、冷蔵庫やカラーテレビを所有している人はほとんどいなかった。白黒テレビがやっとの頃で、中にはアンテナだけ立てて、家にテレビがあるかのように見栄を張る家庭も珍しくなかった。当然、自動車など遠い夢の話。やっと商人がダイハツのミゼットを、青色吐息で購入できた程度。
インパラとミゼット。アメリカと日本の差を如実にあらわしていた。
(イラスト・文: YOGI age71)